粉飾決算とは、会計上の不正を行って、決算情報をゆがめてしまうことをいいます。
利益を水増ししたり、減らしたりする
企業が粉飾決算を行ったとき、利益が水増しされているケースと、減らされているケースがあります。
まず、利益を水増ししているケースでは、株主や債権者に対して、経営状態が良いことを示す狙いがあります。経営状態が悪いとなれば、株主からの信頼が低下し、株価が下がったり、経営陣の交代を求められたりする可能性が高まります。
また、債権者が経営に疑問を持てば、借入金の借り換えができなくなり、自社の資金繰りがうまくできなくなることが懸念されます。粉飾決算で利益額を減らしている場合は、支払うべき税額を少なくする意図があることが多いです。
企業に課せられる法人税は、利益額に応じて支払うべき金額が異なります。したがって、利益が少ないと見せかけることによって、支払うべき税額を抑えることができます。
その結果、余った資金を設備投資したり、内部留保に回したりすることができます。
ギリシャは国家が粉飾決算を行った
粉飾決算と聞くと、日本のオリンパスを始め、企業が行うとのイメージが強い人もいます。
しかし、粉飾決算は企業のみならず、国家でも行われることがあります。国家が粉飾決算をした例としては、ギリシャが挙げられます。ギリシャでは政権交代をきっかけに、国家の粉飾決算が明らかになりました。
結果としてギリシャには大きな財政赤字があることが発覚し、国家財政が窮地に追い込まれました。ギリシャでは財政支出削減に対する国民の根強い反対などもあり、財政は大きく混乱しました。
ギリシャの粉飾決算発覚をきっかけに、アイルランドなど他のヨーロッパ諸国でも債務危機となった国がありました。