貿易収支とは、貿易を通じたお金の出入りのことです。
貿易黒字ならプラス
輸出額が輸入額よりも多い貿易黒字の状態にあるときは、貿易収支がプラスになっています。日本でいえば、自動車産業などの輸出産業が好調であれば、貿易黒字になりやすい傾向があります。
また、資源の多くを輸入に依存している日本では、資源価格が下落すると、輸入額の減少につながり貿易収支がプラスになりやすいです。
日本では震災後に赤字に
日本の貿易収支は、東日本大震災後、赤字を記録しました。震災復興のための資材や、原子力発電所の停止に伴って稼働が増えた火力発電所の燃料などの輸入が増えたことに加え、円高状態にあり輸出産業が振るわなかったことが原因です。
日本は貿易黒字が長きにわたって続き、日本の貿易黒字が原因でアメリカ合衆国などと貿易摩擦が発生したこともありました。しかし、輸出産業も現地生産が増えるなどしており、貿易黒字が当たり前の時代ではなくなっています。
貿易収支統計は為替レートにも影響
貿易が行われると、通貨の交換が必要になることがあります。例えば、ある製品を輸出して外貨を獲得した場合、自国通貨で従業員の給与などを支払うためには、外貨を自国通貨に交換する必要があります。そのため、為替レートは貿易を行う企業の動向に影響されます。
貿易の状況を大まかに把握するためのデータとして、貿易収支統計があります。FX取引をはじめとする為替関連の取引を行う投資家は、為替レートに影響する貿易収支統計には注意を払う必要があります。