「バラマキ政策」とは政権が与党への支持を高めたりする為に財政規律を全く無視する形で国民にお金を直接的、間接的に配ったり全国規模で公共事業を積極的に行うような政策のことをいいます。
「金融緩和政策」だけでは「実需」になかなか結びつかないことから、こうした財政出動をして景気を刺激するという方法がとられることになります。
しかしながら、国内で考えますと90年代から数限りなくこうした大型の財政出動政策を打ってはいるものの、一時的な景気の上向きは実現できても、景気回復の決定打にはならないのが実状で、後々の世代に債務だけを増やしてしまう方法論として危惧されています。
ヘリコプターマネーとは?
直近のバラマキ政策として非常に注目を浴びているのがヘリコプターマネー(通常ヘリマネ)と呼ばれるものす。
これはその名の通り国が直接的に国民に資金を配布し、消費を喚起するという方法もありますし「中央銀行」がばら撒きのために発行した「国債」を買い取って無期限に保有して、国の財政負担にさせないようにするといった方法もこのヘリコプターマネーの一部として見られています。
たとえば、国民一人当たり30万円が事前にチャージされたデビッドカードを配布し、消費に利用してもらうといった政策は究極のヘリコプターマネーということになります。
インフレがやってくると・・
ただ、こちらの方は単なるバラマキよりもさらにその状況は深刻で、償還期を設定しないで「中央銀行」が「国債」を買い取って金庫にしまったまま保有し続けるという方法は、普通の社会ではありえないトンでもない錬金術です。
やがて大変な「インフレ」がやってくる可能性が高まることから、いくら規律を守ったとしてもかなり問題の大きな方法であるということがいえます。
積極的にヘリコプターマネーを実施した国はまだない
バラマキ政策は、その原資が確保できているのであれば、一定の消費意欲を高める効果につながりますが、結局のところ「赤字国債」を発行してまで消費を改善する必要があるのかどうかが大きな争点になります。
また一度やり始めますと、結局政権はいくらでも同様に手法を実施しようとすることになることから、ほとんど規律を守ることができなくなる大きなリスクにも直面することになり、かなり問題のある政策手法であるともいえるのです。
「ヘリコプターマネー」についてはサプライサイドエコノミクスでおなじみの「ミルトンフリードマン」がこうした方法を提唱し、多くの世界の「中央銀行」が関心を持っていることは確かです。
しかし、積極的に実施に移せたところはまだなく、海外のエコノミストからは日本で「規律を守って実施する」ことをしきりに薦める声も聞かれています。