「THV System final edition」(日本語: THVシステム)は、Forex Factoryのフォーラム「Trading Systems」に参加する11名のFXトレーダーによって開発されたトレードシステムです。
このシステムは2008年11月、cobraforexさんというドイツ在住のFXトレーダーによって最初にスレッドにて公開され、バージョンアップを重ねて2009年9月に「V4」が最終版(final edition)としてリリースされています。
スレッドの初期には、cobraforexさんによる詳細な使い方の説明やFXトレード例が何度も投稿され、現在も世界中のFXトレーダーが「リプライ」(返信)して、このシステムのよりよい使い方、より勝率を高めるための試行錯誤と議論が行われています。
ちなみにこのcobraforexさん、プロフィールを拝見すると「トレーダー, ホテルと蒸留酒製造所のオーナー」となっています。なんだかカッコイイですね!(ドイツの一部地域には、夕食後にアルコール度数の高い蒸留酒を飲みながら会話を楽しむ習慣があります。)
さて、この「THV System final edition」は誰でも無料で利用できるものなのですが、日本ではこのFX手法を日本語に訳したものにアレンジを加えたFX情報商材が販売されています。(スペイン語のマニュアルは、スレッド上で無料公開されているのですけれどね…。お国柄の違いでしょう。)
このFX情報商材について日本語で詳しく紹介されたこともあって、日本国内で「THV System」は、「Forex Factoryで、実は無料で利用できるインジケーター」として有名になったようです。
THV FX手法概要
トレード環境
「THV System final edition」は、Coral、Trix(Fast/slow)、一目均衡表、平均足、 Pivot、RSIなどさまざまなインジケーターを表示させて、さまざまな条件が一致したところでエントリーや利益確定を行う裁量トレード向けシステムです。
色が変わったり音が出たりする通知はありますが、エントリーや利益確定の判断は各トレーダーの裁量に委ねられます。
対応可能な通貨ペアは特に限定されておらず、どの通貨ペアのトレードにも利用できます。また、1分足、5分足での利用を想定して制作されたシステムであるのですが、他の時間足でのトレードに応用して利益を上げているトレーダーは大勢いるそうです。
スキャルピングからデイトレードまで、時間足にかかわらず利用できるシステムと言えると思います。勝率は7割から8割、ただし各自のトレーディングスキルにより結果は異なります。
値がCoralラインより上にある間はロングエントリーのみ、値がCoralラインより下にある間はショートエントリーのみ行います。
エントリータイミングは、値が一目均衡表の雲をクロスしたとき、FastとSlowのTrixが交差して両方の色が同じになったとき。最も安心確実なのは、Fast Trixが「0」レベルをクロスしたときです。
2.各通貨ペアの値動きに影響しそうなその日のニュースを確認してください。
3.重要指標の発表がある時間を覚えておいて、その前後の時間はFXトレードをしないようにしましょう。
セクション2 トレードできそうなポイントを探す前に
4.FXトレードしたい通貨ペアの1時間足を開きます。
5.トレンドの方向性を確認してください。また、サポートやレジスタンスとなりそうなポイントを確認しておいてください。RSIで「買われすぎ」や「売られすぎ」の状態ではないことを確認してください。
6.時間足を5分足に変更します。
7.他の通貨ペアでFXトレードする場合も、4からの手順を繰り返します。
8.5で確認したトレンドの方向に逆らっていないかどうかを注意しながら、FXトレードできそうなポイントを探しましょう。
セクション3 ロング エントリーポイントの見分け方
〇タイプ1:
9.値がCoralラインより上にあることを確認します。
10.直近のローソク足の終値が、一目均衡表の雲よりも上で確定していることを確認します。
11.Fast TrixがSlow Trixを上向きに突き抜けていて、どちらのラインの色も緑であることを確認します。
12.次のレジスタンスとなりそうなラインの値から25pips以上離れていることを確認します。
13.ベアリッシュ・ダイバージェンス (テクニカル指標は上昇しているのにチャートの値動きは下降している状態) が発生していないことを確認します。
14.RSIで「買われすぎ」 (値が79以上) の状態ではないことを確認します。
〇タイプ2:
15.ブリッシュ・ダイバージェンス (テクニカル指標は下降しているのにチャートの値動きは上昇している状態) が発生していることを確認します。
16.9、12、14を満たしていることを確認します。
〇タイプ3:
17.これまでにレジスタンスとなっていたトレンドラインを突き抜けたことを確認します。
18.12、14を満たすことを確認します。
セクション4 ショート エントリーポイントの見分け方
〇タイプ1:
19.値がCoralラインより下にあることを確認します。
20.直近のローソク足の終値が、一目均衡表の雲よりも下で確定していることを確認します。
21.Fast TrixがSlow Trixを下向きに突き抜けていて、どちらのラインの色も赤であること
22.次のサポートとなりそうなラインの値から25pips以上離れていることを確認します。
23.ブリッシュ・ダイバージェンス (テクニカル指標は下降しているのにチャートの値動きは上昇している状態) が発生していないことを確認します。
24.RSIで「売られすぎ」 (値が21以下) の状態ではないことを確認します。
〇タイプ2:
25.ベアリッシュ・ダイバージェンス (テクニカル指標は上昇しているのにチャートの値動きは下降している状態) が発生していることを確認します。
26.19、22、24を満たしていることを確認します。
〇タイプ3:
27.これまでにサポートとなっていたトレンドラインを突き抜けたことを確認します。
28.22、24を満たすことを確認します。
セクション5 トレードエントリー前の注意点
29.エントリー前に4、5、8について、改めて確認してください。
30.ストップロス (損切りポイント) が15~20pips以上になるところでは、リスクを取ってエントリーするほどの価値はありません。エントリーは見送りましょう。
31.1回のトレードにつき、リスクはご自身の資金の2.5%以下となるようにコントロールすることを守りましょう。
セクション6
32.20pipsぐらいのところで確実に利益確定するのもよいでしょう。
利益確定と損切りルール
利益確定の目安としては、「Fast Trixの色が変わったとき、または値が直近のレジスタンスやサポートに到達したとき」とされています。
損切りは、5分足でトレードする場合は上記「30.」のように説明されているので目安は15pips以内ということになりますが、基本的には使用している時間足によります。上位の時間足を使用しているときは利益も大きい代わりに、損切りの幅も大きくなります。
フィルタールールや注意点
■1分足で利用するには高度なFXトレードスキルが必要
スレッド開設者のcobraforexさんはこのTHVシステムを主にスキャルピングに利用しているそうです。THV system開発チームも、このシステムは1分足と5分足での利用することを想定して検証したそうです。
しかし、「ただし1分足で利用するには高度なFXトレードスキルが必要であるため、特にFX初心者にはお勧めできない」との注意書きがされています。
■指標発表時前後にはエントリーしない
日々の重要指標の発表時間の前後の、値動きが荒い時間帯のFXトレードは避けることが推奨されています。また、RSIが「買われすぎ/売られすぎ」の状態を示しているときにはエントリーしないほうがよい、といったことも注意点とされています。
リプライでどのような議論がされているか
2009年にリリースされたV4は、実はチャートソフト「MT4」がビルド600になった2014年2月から、マニュアルの手順どおりにインストールしただけでは正常動作しなくなっています。
スレッド主のcobraforexさんは2012年以降このスレッドにほとんど登場しておらず、この件に関するコメントも出ていません。ですが、スレッドの利用者たちの間で正常動作する方法が提示され、困って投稿した人たちに教え合うようなやり取りがされています。
興味がある方は、スレッドの「
#Post 24627」あたりから読んでみてください。この投稿は偶然にも日本人の方からのものです。
その他は、各利用者が自身のトレードスタイルに合わせた時間に、好みの時間足や通貨ペアでのトレードで検証を行っており、トレード結果の報告、トレード中に気づいたことを知らせる内容、各インジケーターの動きの意味を質問したり回答したりする内容などとなっています。
このFX手法で使用するインジケーターやテンプレート
以下はいずれも、スレッドの先頭の投稿の最後にリンクがあり、無料でダウンロードできます。
■V4.zip
MT4のインストール先フォルダのtemplateフォルダにコピーするファイル一式と、インジケーターを一括インストールできるセットアッププログラムが格納されています。なお、MT4ビルド600以降で正常動作させるためには、セットアッププログラムを実行後に、Indicatorsの内容をMQL4フォルダ配下に移動させる必要があります。
■Manuals and optional.zip
THV V3のマニュアル (V4専用のマニュアルはありません) です。他に、THVと同時使用できるオプションのインジケーターとそのマニュアルも格納されています。いずれも英語です。
このFX手法のまとめ
もともと1分足や5分足でのトレードのために開発されたシステムとのことで、長時間チャートを見て分析しながらトレードする時間は取れない、サラリーマンの副業FXトレーダーの方たちや、スキャルピングに興味を持ち始めた初級~中級トレーダーの方には、もってこいのシステムのひとつと言えるのではないかと思います。
もちろん、それ以外の時間足でも利益を出せることが、利用者の皆さんによって実証されていますので、デイトレーダーの方も積極的に利用していただけると思います。
ネックは、さまざまなインジケーターを同時使用するため、これらそれぞれの役目を理解して使いこなせるようになるためには少々時間がかかり、やはり詳しい説明がほしくなるところだと思います。
英語のマニュアルと、マニュアルで不足する部分はForex Factoryのスレッドに書かれてあるのですが、英語であることとスレッドの情報量が膨大であることで、なかなかほしい情報にたどり着くのは難しい現実があります。
まずは無料で利用できる
「THV System final edition」をそのまま検証してみる価値は充分にありますが、日本語でもっと深く知りたいと思った方には、このシステムの日本語訳であるとされる「
マナブ式FX完全マスタープログラム」を利用する選択肢もあります。
日本語のサポートを利用することができるようになり、このFX手法の理解がより深まることになるでしょう。
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