今回は、Forex Factoryに2017/1/10、mizi123氏によって建てられたスレッド、
「Noise free system」について解説、検証をしていきます。
この手法が掲載されているサイト ⇒ http://www.forexfactory.com/showthread.php?t=629608
日本語に訳すと「ノイズフリーシステム」です。
ノイズ、つまりもみ合いの動きに騙さずにトレンドに乗ることができれば、無駄なエントリーを避けることができます。見慣れないインジケーターを使いますが、非常に興味深い内容となっております。
※Forex Factoryが何なのか?使用方法を知りたい方は下記をご覧ください。
Noise Free System FX手法の概要
手法名 | ノイズフリーシステム | ||
---|---|---|---|
開発者 | mizi123氏(TOMOZO検証) | ||
勝てる? | 勝てる | ||
取引スタイル | デイトレード | ||
時間足 | 5分足、15分足 | ||
通貨ペア | 米ドル円、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円、ユーロ米ドル、ポンド米ドル、NZドル円、豪ドル米ドル、ユーロドル、NZドル米ドル、ユーロ豪ドル、ユーロポンド | ||
分析手法 | 平均足、ラインチャート | ||
その他選択項目 | 順張り、Forex Factory | ||
取引市場 | オセアニア市場、東京市場、欧州市場、NY市場 | ポジション保有時間 | 平均すると半日ほど |
FX業者 | 月間取引頻度 | 20回 | |
エントリー注文 | 成行 | 決済注文 | 成行、指値、逆指値 |
勝率 | 60% | 損益レシオ | R-2 |
平均利益 | +40.8pips | 平均損失 | -17.1pips |
はじめに
このFX手法は平均足とMT4のインジケーターの“平均足改良版”を使った売買手法です。
外国人でも平均足は「Heikin Ashi」と呼んで利用しているのですが「Heikin Ashi Smoothed」と聞くとほとんどの日本人のFXトレーダーは首をかしげることになると思います。
これはMT4に実装されている平均足の改良版であり、平滑移動平均と同じようにパラメータをいじって、できるだけスムーズな動きに改良してあるのが特徴となります。
また「Heikin Ashi Exit」というのもMT4に実装できるインジケーターで、売りが続いているのか、買いが続いているのかのトレンドを見極めるためのインジケーターということになります。
上昇過程では緑色のラインが延々と続くことになり、下落過程では赤くなるのが特徴です。
エントリールール
具体的なFX手法のルールはきわめて簡単です。
1.Heikin Ashi Smoothed(HAS)とHeikin Ashi Exit(HAE)を表示
2.Heikin Ashi Exit(HAE)を Heikin Ashi Smoothed(HAS)の実体線が下から上方向に抜けてから売買の用意をします。
3.ここで肝となってくるのが抜けたHASが一旦押し戻されて、再上昇するタイミングでエントリーするということです。いきなりクロスしたから買いを入れないことが注意ポイントとされています。
利益確定と損切りルール
利益確定はHAEのラインの上昇に、HASが追いついた段階で利益確定を行うよう指示されています。
このチャートは豪ドル米ドルの15分足で表示されていますが、TPが利益確定のポイントなので、上述した「HASが追いついた段階で利益確定」とは異なる利確ルールがありそうです。全てのページを読んだわけではないので、詳しく知りたい方はスレッドをご覧ください。
損切りについては、直近の安値付近に設定(SL)しているようです。mizi123氏によれば5分足か15分足程度が大きな成果を出しやすいとのことです。
フィルタールールや注意点
作成者の説明を見てみますと、ゴールデンクロスになっても、すぐに元に戻ってしまった場合については、基本的にエントリーはできず、あくまでしっかりとクロスして少し戻して、再上昇するところがエントリーポイントになるとしています。
また誰でも気になることですが、下落トレンドでも同様に使えるようで、上から下にHASが下抜けたときでも一旦少し戻りを試して再下落するときに売りでエントリーすればいいようです。以下は下落時の利用のチャートです。
この「戻りを少し待ってからエントリーする」というのは、クロスだけですぐに売買して騙しにあわないようにする為のようです。
上記のチャートを見る限り、上のHAEにHASがあたり、反転してからエントリーしているように見えますね。Perfect Short Setup(完璧な売り)ですから、こういった戻りのポイントを狙っていくのがこの手法の鉄板になりそうです。
平均足の売買というのは相場の流れの変化をよく表していますので、HASの方がモメンタム、HAEがトレンド線として機能し、この交差を利用して売買を仕掛けるというのはかなり単純で利用しやすそうです。
このFX手法で使用するインジケーターやテンプレート
このインジケーターやテンプレートは無料でダウンロードすることができます。
下記のリンクの一番上の投稿で紹介されていますので、この手法に興味がある方はダウンロードしてみてください。
〇必要なインジケーター
・Heikin Ashi Exit
・Heikin Ashi Smoothed
オリジナルのルールを加えたFX検証
オリジナルを加えたシンプルなルールで、ドル円15分足チャートを使って検証してみました。
「Noise free system」 ではローソク足は使っていないようですが、今回はラインチャートを使って、エントリーと決済を判断するようにしました。
〇 エントリールール<買いの場合>
1.HASがHAEを実体で上抜ける
2.ラインチャートがHAEまで下落するのを待つ
3.HASが青から赤になり再び青になったら買い
・HASがHAEを実体で下抜けたら様子見。再度HAEを上抜けたとしても買いでは入らず、
再度押し目を待ちなおす。(実体ではなくヒゲ抜けだった場合は、HAE上抜けでエントリー)
〇 決済ルール
・損切りは、ラインチャートの直近安値抜けに設定する。
・HASがHAEを実体で下抜けたら成り行きで決済する
・損切り幅の3倍の位置にリミットを設定する
・週を超えてポジションは保有せず、含み益・含み損にかかわらず、金曜日の終了に成り行きで決済する。
〇 検証結果
約1か月間、ドル円15分足チャートを使って検証した結果です。
・取引回数:20回
・獲得pips:294.7pips
・勝率:60%
・損益レシオ:2.4
・最大ドローダウン:-53.8pips
取引チャート
① 2/1 -13.4pipsの損失
② 2/1 -26.5pipsの損失
③ 2/2 +59.6pipsの利益
(かなり綺麗な形です。)
④ 2/6 +40.4pipsの利益
(これも、理想的なエントリーポイント。売りの場面はHAEに沿う形で反落しているのがわかります。)
⑤ 2/7 -15.0pipsの損失
(安値圏でダブルボトムを形成していますので、ここは無理して売る場面ではないかもしれません。)
⑥ 2/8 -14.6pipsの損失
(一時は50pips程の含み益まで下落しましたが、HAE抜けのルールで損切り。2番底反発を確認してから建値にストップ移動が、良い方法かもしれません。)
⑦ 2/8 -24.2pipsの損失
(これも安値圏でのボトムを確認していますので、見送るのが正解かもしれませんね。)
⑧ 2/9 +26.9pipsの利益
(100pips以上上昇しているパターン。3倍利確ルールで+26.9pipsですが、後からチャートを見ればもったいないと思う形。)
⑨ 2/10 18.2pipsの利益
(週をまたいでポジションは保有しませんので、金曜日の終わりに成り行きで決済します。)
⑩ 2/14 24.8pipsの利益
(HAEでしっかりと反落しています。4時間後くらいに、追加の売りポジションが持てるポイントもありますね。)
⑪ 2/14 -23.6pipsの損失
⑫ 2/15 +40.1pipsの利益
(ここは、3倍利確ルールが功を奏した形です。)
⑬ 2/16 52.5pipsの利益
(①の売りは、HAEまでHASが到達していませんが、ラインチャートが触れているためエントリー対象になります。②の利確ポイントは次のチャートをご覧ください。)
⑭ 2/16エントリー 2/17決済 49.4pipsの利益
(100pips以上の含み益になったものの、最終的にはHAEブレイクで決済)
⑮ 2/17 39.8pipsの利益
(HASの実体が上抜けていませんので、エントリー対象です。HASの実体が下抜けた段階で売ります。)※矢印ずれていますが、113.335で売りになります。)
⑯ 2/17 -13.9pipsの損失
⑰ 2/20 -4.0pipsの損失
⑱ 2/21 -19.1pipsの損失
⑲ 2/22 40.4pipsの利益
⑳ 2/25 56.9pipsの利益
このFX手法のまとめ
検証した感想としては、もみ合い相場ではサインが出にくく、ダマシの動きでは様子見となるケースが多いです。
2月の約1か月間の検証を見る限りでは、優位性がありそうに見えます。損切りと利確の位置についてはシンプルなルールにしているので、ストップの変更や利確に高値・安値を意識することで、パフォーマンスは上がるのではないでしょうか。
ただし、この成績がたまたまで、数か月検証したらまったく使えないFX手法だった。という可能性もありますので、興味を持った方はしっかりと検証してから使っていただければと思います。
また、Forex FactoryのNoise free systemスレッドでは、日々議論が重ねられていますので、このシステムの効果的な使い方を確認していただき、コメント欄に記載していただけば幸いです。
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