ニューヨーク市場の時間帯と特徴
ニューヨーク市場は、日本時間の「22:00から翌朝の5:00」までとなります。
ニューヨーク市場の場合、現地の昼時間を過ぎると極端に動きが少なくなる傾向が強く、午前中に集中した動きとなっていることが多いです。
ロンドン勢の稼動時間ともオーバーラップする時間帯が、もっとも動きの激しいゾーンとなっているのが特徴といえます。
NYSEの株価に影響を受ける市場
FX相場は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の株価の動きや、債権金利など、他の市場に影響をうけます。NYSEのスタートタイムで為替が動くこともよくあるのです。
ただし、FXが株価に連動するのか?債券金利に連動するのか?は相場状況によって異なります。
必ずしも株価と連動しないことも起きていることから、その見極めが難しくなります。
これまでは、株高だった時には債券が売られ、利率が高くなるのが定石でした。しかし、最近では株が買われると同時に、債券も買われるという市場状況になってきています。
従来からの株、債券、FXの関係が大きく崩れてきているともいえ、このあたりの連動性を見るのは、難しくなってきているのが実情です。
ニューヨーク市場は経済指標で大きく流れが変わる
ニューヨーク市場は、様々な経済指標が発表されることから、その結果に相場が大きく振れるのも1つの特徴となります。
数ある経済指標の中でも、毎月原則第一金曜日の日本時間夜9時半(冬時間は10時半)に発表される、「米国雇用統計」は、市場に大きな影響を与えるものとなっています。月に1回の「お祭り」と揶揄される雇用統計は、個人投資家の取引高が大幅に伸びる日であり、業界内の注目度も高いです。
※「雇用統計発表後の」ドル円1分足チャート
何故ここまで注目されるかというと、米国の中央銀行にあたる「FRB」により開催される「FOMC」での金融政策決定に影響されるのが、雇用統計であるからです。
その他の指標では、「ISMの製造業」「サービス業の各景況指数」「GDPの四半期速報」「FOMCの政策発表及び、その後の議事録の公表」などの発表後に、チャートが乱高下しやすいです。
こうした経済指標の発表は、事前に公表時間がはっきりしていますので、できる限りポジションは整理してリスクをとらないようにしておくことが重要となります。
金曜日のニューヨーク市場は小動き
ボラティティが大きい、ニューヨーク市場ですが、金曜日の午後になると、殆どFX相場が動かないことが多くなります。これは、1週間単位で取引を行っている、主力のプレーヤーが、週の前半に仕掛けをつくり、金曜日の午後までに決済することが多いのも1つの要因になっています。
金曜日の現地時間で午後にあたる、日本時間の金曜日夜は、ポジションを持ったとしても、トレンド系の分析方法であれば、期待値は高くありません。
また、ニューヨーク市場のクローズが近づくと、多くのプレーヤーが週末の手仕舞いを行います。
このため、日本時間では土曜日の早朝となる時間帯は、上下に価格が暴れる形になり、FX業者のスプレッドも拡大する傾向にあります。
通常のスプレッドが1pipsであっても、時には10pips以上に広がってしまうケースもあります。ですから、手仕舞いの決済注文を行うのであれば、時間的に余裕を持った行動をしていくことが重要です。
ニューヨーク市場では取引が少ない時間帯に急変することもある
ニューヨーク市場は、ロンドン市場の半分ぐらいの取引量になりますので、「London Fix」後は取引量が徐々に薄くなっていきます。しかし、このような場では、仕掛け売りや仕掛け買いをするプレーヤーが登場すると、短時間で相場が急騰・急落するといった展開になり得ます。
例えば、2011年3月17日(東日本大震災後)の日本時間早朝にドル円が暴落したFX相場。この時も、米国の薄い時間帯に大量のドル売り注文がヘッジファンドから出て、一気にストップロスを巻き込む形で、「76.25円」まで下げました。
これは、日本ではちょうどFX業者がサーバーを調整する時間帯です。それもあって、急激な動きに対応できず、ストップを狩られてしまった方も多かったのではないかと思います。
このように、あえてFX取引が薄い時間帯を選び、仕掛け的な注文をしてくるファンドもいるということを認識しておく必要があります。
「日本時間の深夜は動きがないから、ストップを入れなくても大丈夫」という安易な考えが、FXでの大きな失敗を招いてしまうのです。