フェイスブックの仮想通貨リブラのホワイトペーパー開示によって一気にステーブルコインの存在が注目されるようになっていますが、国によって見解が分かれるものの果たして通貨なのか決済手段なのかという問題が顕在化しそうな雰囲気になってきています。
ペッグ制のステーブルコインと呼ばれるような決済通貨の場合米国でも金融当局のお墨付きを得ているものがあり、いわゆる投機性のある仮想通貨・日本では暗号資産と呼ばれるものとはかなり性格が違うものへと発展していることがわかります。
厳密に国内状況を考えてみますとステーブルコインに即座に適用する国内法はないと言われ、言ってみれば楽天ペイやペイペイなどと大して違わない状況にあることがわかります。
確かにこれを暗号資産として別に利益も出ないのに売ったり買ったりして確定申告の対象にされたのではとんでもない苦痛になってしまいます。
貨幣のデジタル化というのはもともと想定されていなかった内容だけに、国内法規に無理やり当てはめようとしても意味はなく、よくこのあたりを考える必要がでてくるいことになりそうです。
フェイスブックがローンチしようとしているリブラについては複数国での利用が想定されますし、なにより40億人以上の利用者がいるフェイスブックの半分の20億人が使いだしても特定の法定通貨の枠組みを大きく超えるものになることは間違いありません。
このあたりをどのように評価して通貨としてみなしていくのか、あるいは別ものでいくのかはここからのステーブルコインの成長にとって非常に大きな分かれ目になりそうな気配となってきています。
ここからのステーブコインには大注目!
この先円をペッグするステーブルコインが国内に登場する可能性は十分に考えられますが、銀行や日銀がそうしたものを発行し始めると競争環境が大きく変わる可能性もあり、だれが主導権を握ることになるのかについても非常に大きな関心を呼ぶことになりそうです。
最近の金融機関の動向を見ていますとメガバンクがこの領域に乗り出そうとしていることがわかりますが、地方銀行まで利用ができるようならないと全国的に利用できない部分も出る可能性があり、楽天やソフトバンクの取り組みのほうは一歩前にでている印象もあります。
狭い世界ではデビットカードなどとも競合するだけにどのような勢力争いが起きるかによって国内での定着化も異なるものなりそうで、ここからのステーブルコインの動きは大注目の状況です。