材料はいろいろあってもまったく動かない為替相場の中で明確に下落トレンドが出始めているのがユーロドルで、ドルインデックス自体も上昇トレンドがではじめています。
ドル円は新型ウイルスのリスクが高まってもほとんど下押ししない状況で、上昇もしない代わりに下落もいしないというかなり難解な状況に陥っています。
しかし、ユーロドルだけは政策金利差が明確であることに加え、ドイツの経済状況がかなりおかしなところに向かい始めていることから中国のウイルスリスクを含めてドルが強く買われる状況になりはじめており、結果的にユーロドルは売られる展開になりはじめています。
■ユーロドル4時間足推移
18日のロンドンタイムに節目の1.08を割り込んだユーロドルは一旦戻し気味の展開にはなっていますが、まだここから下落する可能性は十分に残されてている状況です。
Data Tradingview
ユーロドルとは対照的に2月にはいりはじめてからどんどん上昇しているドルインデックスはユーロドルが全体の65%程度影響していますからまさにドルが大きく上昇する形になっており、これ自体にトレンドがではじめています。
ただ、ご覧のようにすでに100に近づいており、もちろんここから100を超えてさらに上昇することも考えられるわけですが、だいたいトランプ大統領が出てきてはケチをつけることが多いため、政治的にみてもさらに上昇するのかどうかはかなり微妙なところに差し掛かってきています。
ECBは政策の見直し検証にかなり長い時間を使い始めており、これが終わらないかぎり政策変更は出ませんから、ここからのユーロドルはまさにドル次第の状況に差し掛かっていることがわかります。
主要通貨ペアの中でもほとんど唯一といっていい形でトレンドがでていますので、とにかく乗るのであればトレーリングストップを置いてためしに戻りを売ってみるという方法が考えられる状況です。
足もとでは余剰資金は米国の金融相場に向かわざるを得ない状況
足もとの相場はとにかく米国の株式市場が強く、債券市場にも多くの資金が流れ込んでいることから世界的に見回してみても米国以外投資すべき相場がないというのが実情であり、これが根底にあることからドル需要は非常に旺盛で各通貨でドルストレートがかなり強い動きになっています。
これを受けてドル円も110円台はかなり重たいものの下値も堅く何があっても下落しないという特殊な状況が示現しはじめています。これでは売りから入ってもほとんど妙味がありませんから、市場参加者はどうしてもユーロドルやポンドに目を向けることとなっており、結果ユーロドルが弱含むとクロス円も弱くなるもののドル円自体はほとんど動かない相場になってしまっていることがわかります。
動かない為替相場の中では唯一明確なトレンドがでているわけですから、まずはなんとか乗れる方法を考えるのが得策と言えそうですが、どこまでユーロが下落するかはもう一つよくわからず、結局戻り売りで対処せざるを得ない状況にも見えます。
残念ながら今年の為替相場もかなり動意の少ない状況が延々と続いていますが、材料自体は決してないわけではなく、ここから大きく動き始めるのかどうかに注目が集まるところです。
ドル円などはいきなり動き出すことが結構ありますので、あきらめずに注意深く見守ることが重要になりそうですが、よく動きが判らないと思ったときには一旦休んで様子をしっかり見て納得のいくタイミングでのエントリーを心掛けたいものです。
足もとではプロも個人投資家も為替に明確なテーマを見出しづらい状況が続いています。
(この記事を書いた人:今市太郎)