国内の市場はすっかり年末モードでお正月が終わるまでは動きがまったく見られないことになりますが、米国勢はクリスマス休暇を終えて、多くの投資ファンドが1月のカレンダーイヤーがフィスカルイヤー、いわゆる新会計年度に突入することから事実上27日は新年度と言ってもいいタイミングになります。
パフォーマンスが上がらなかったファンドマネージャーはクビになり新たな体制で2020年に臨むことになりますので、2019年とは動きが大きく異なることも予想され、それに伴う形で相場のセンチメントが激しく変化することもありますので、十分に注意する必要があります。
国内の年末お仕舞いモードとはまるで雰囲気が変わることもありますのでこのあたりはしっかり相場を見据えて取引することが必要になります。
ファンド勢は国際分散投資に出るタイミング
例年新年度になりますと、国際分散投資に力を入れるヘッジファンド勢はこの時期から海外の資本市場に投資を行うことからそれなりの規模のドル売りがでて現地通貨買いが顕在化することになります。
結果的に年初から何故なのかはっきりしないままドル安が進むことが多いわけですがドルストレートでドル安が進むということはクロス円でも円高になりやすく、まわりまわってドル円も円高に振れやすい時期になるということができるのです。
今年の場合にはドル円の下値にそれほど買いが入っていないことをいいことに大きくドル円が売られ、それに連動するかのようにトルコリラ円なども円高に振れることになりましたが、さすがに来年の正月はかなり実需筋も懲りたと思いますので、ドル円に関しては下値にも上値にもびっしりリーブオーダーが正月休みに並ぶはずで、あまり大きな動きにはならない可能性もありそうです。
ただ全般的にドル安になる時間帯であることだけはしっかり認識しておきたいところです。
1月に向けてドル安がじわりと進む可能性に注意
昨年を思い浮かべますとすでに12月27日ごろからじわじわとドル円は円高に向かいはじめており、ある意味でフラッシュクラッシュの起こった円高方向に相場を年内から進めていたことが窺われます。
したがってこの27日から30日、31日といったかぎられた年内の営業日にそれまでと動きが変わる通貨ペアがないかどうかをつぶさにチェックしておくというのもひとつの方法になるかも知れません。
過去20年の円相場の動きを示したチャートによりますと円は年末にむけて実需とのからみもあって円安に推移しますが年明けはあらゆる通貨に対して円高に動くことが多く、しかも対ドルではその傾向が非常に強くなってきていることがよくわかります。
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円全体ではせいぜい0.5%程度の円高ですからもの凄い動き手はありませんが、春先にむけて円安が進むまではこうした動きに注意することが肝要なようです。
今年の円のシーズナルサイクルを見ましても夏以降からはかなりこのチャートに近い動きが実際に示現していますからそれなりに参考になりそうです。
もちろんリアルなチャートがこのシーズナルチャートをしっかりトレースしているという事実を確認して相場に乗ることが必要となるのは言うまでもありませんが、事前に知っているのと知らないのとでは大きな違いになりますから、しっかり事前認識しておくことが助けになるのではないでしょうか。
この年末はほんの数日でクリスマスラリーという形で米株相場がさらに上伸することも考えられますが、足元ではドル円は必ずしも株価の上昇についていかない動きを見せ始めています。
このあたりの動向に変化が現れるかもチェックしていきたいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)