本邦の株式市場は異常なほど堅調な上げを示しているのはご存知の通りです。米国の株価の堅調推移に引きずられる形で上昇しているのでしょうが、単に米国株の上昇のみならずかなりの勢いで特定の本邦勢が衆議院解散をにらんで買い支えているという噂が聞こえてきます。
果たして本当に年内解散があるのかどうかについてはここからのメディアの報道などに十分気をつける必要がありそうで、株も為替も迂闊にショートを振るのは禁物な時間帯となりそうです。
確かに言われてみると妙に上昇する日経225の相場が延々と続いていることが気になります。
海外勢のロング・ショートによる日経平均買戻しは上昇の一因
海外のヘッジファンド勢はいわゆるロング・ショート戦略を実施する中にあってもここのところS&P500を買っては同額の日経平均を売るというやり方で成功を収めており、日経平均が明らかに米株より上昇スピードが遅く投資妙味が低いことからロング・ショート戦略のショートの材料として使われていることが顕著になっています。
こうしたことから成長ドライバーのS&P500を期末などの解約で売ることになれば同額でショートをしている日経平均の買戻しを迫られることになり、海外勢の買戻しの主要因でこれが一定の終焉を迎えれば海外勢起因で株価が上昇することはなくなる状況です。
むしろ米株の上昇は新たなロング&ショート戦略を巻き起こしますからどこかで日経平均にはまた大量の売りがでても決しておかしくはない部分といえます。
しかし外人の買戻しが止まっても高値維持が続くとなるともしかすると年内に総選挙を仕掛けようとしているのではないかという見方も強まるわけです。
ターゲットは12月15日総選挙というみかたも
年内解散の話は一時出回っていましたが足元ではそれほど大きなノイズにはなっていません。
しかしどうもこれをにらんで株も為替も下げないように内閣がPKOをはじめとして民間にまでも積極的に働きかけているという話はここへきて結構出回りはじめています。
皇室行事と国会、さらに首脳外交が錯綜するこの時期に解散ができるとしたら12月15日総選挙がベストであるといった憶測も依然として飛び交っているようで、もしこれが本当だとすると年末までの株も為替も簡単に下げることはなくなる可能性がある点には相当注意が必要になりそうです。
年内解散ならどうしもようもない大臣の任命も賞味期限の短い登用ということで確かに納得のいくものもありますが、果たしてそういうことになるのかどうかが注目されるところです12月15日に投票となれば本当に今月の早い時期に解散にすることになりますから、ここからはそれほど時間のないものになります。
また年明けというケースももちろん考えられそうで、こうなると相場は年内いっぱい大きな下げもなく乗り越える可能性もでてくることになります。
政治のネタで故意に相場をさげさせないというのもなんともきな臭い雰囲気ではありますが、実際選挙になると相場は下げないということを考えますと、これが正しいのであれば迂闊にショートにはせずにストップロスを置きながらなんとか上昇について行くことを考えなくてはなりません。
個人的にはいかがなものかとは思いますが、相場がそのように動く以上勝手に逆らってみても意味はありません。ここから果たしてそういう事態がめぐってくるのかどうかをしっかり見極める必要がありそうです。
安倍首相はなにがなんでも憲法改正を行いたい意向のようですから自民党がかつてまけたことがない12月選挙に打って出ることはたしかに十分に想定できるもので十分に注意したいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)