英国のBREXITに関しては3か月延長するといった相手に承諾が得られていないのに身勝手な法案が議会で可決してしまい、一体ここからどうなるのか全くわけのわからない状態が継続中です。
ポンドの取引でひどい目にあっているトレーダーはとにかく博打のような状態に陥っているわけですからできるだけ触らないようにしておこうと心に決めている方も多いこととは思いますが、実は一つかなり注意しなくてはならないのがポンドとドルの相関係数の問題です。
ポンド円とドル円の相関係数は0.888
あまり短い時間足で見ていますとポンド円のほうがはるかにドル円よりもボラティリティが大きくよく動きますので相関性が感じられないのですが、実はポンド円とドル円の相関係数は0.888とかなり近い動きをしていることがわかります。
これは日足などで俯瞰から見てみますとよくわかるものですが、実は馬鹿にできないほど動きが似ていることがわかります。
■ポンド円日足推移
上のポンド円と下のドル円は日足で同じスケールでチャートを表示してみたものですが、ディテールは多少ことなる部分があるものの結構似通った動きをしていることがわかります。
ということは、ポンド円でポンドが大きく売り込まれるときにはドル円もかなりの下落を伴う可能性があることを示唆しているわけです。
もうずいぶん前の話のように感じられますが3年と3か月ほど前の2016年6月24日のBREXIT投票後の相場の動きを再度チェックしてみますと次のようになります。
■ポンド円日足2016年6月24日近辺
ポンド円はこのBREXIT開票日の朝6時に残留優勢といった誤報で買い上げられ160円レベルとつけていますが、結果的に離脱優勢の報道をうけ最終的に離脱派が上回るという結果を受けてほとんど133円割れまで下落するという激しい相場展開を示現しています。
実に27円レベルの動きとなったわけですからまさに大暴落ですが、ドル円も負けじとほぼ8円30銭以上下落していますから値幅はさすがにポンド円の三分の一強というところではありますが、それなりの下落を食らう可能性はかなり高いといえます。
もちろん足元のBREXITはもはやそうなるのではないかといった憶測がかなり高まっていますから、3年3か月前のまさかのEU離脱優勢に比べれば織り込み度はかなり異なるものがあります。
しかしポンド円で10円程度の大幅下落が示現した場合にはドル円も平気で3円~4円といった下落に見舞われるリスクが依然として存在することは相当意識しておく必要がありそうです。
この3年間でBREXITはポンドだけの問題とした動きになったことも確かにありますが、正式にはいつくるのかよくわからない最終決定と断末魔の瞬間というものがやってきたときにはそれなりの覚悟をしておく必要があるということだけはあらためてお知らせしておきます。
これが当初予定の通り10月末に到来するのか、EUが譲歩して来年1月末まで伸ばしてもらって結局結果は同じという体たらくな動きになるのかは今のところまったくわかりませんが、ポンドに触っていなければ安心とは言えない状況で、興味がなくても常にこの動向がどうなっているのかは見続けていくことが大切です。
足元の相場はなにか緊張感を欠いた雰囲気が漂っていますが、リスクは決して減っているわけではなく、いきなり大きなことが到来するという危険性は常に意識しておきたいところです。
それにしてもBREXITネタは取引の材料としては少々辟易とするものがあり、確かに真剣になれないという大きな問題があることは事実で、関与度を高めるのが難しい材料となってしまっています。