9月に入ってまたポンドが大きく動き出しています。ポンドはBREXITに絡んだ政治的な動きで確かにポンドドルでしっかり引き付けて戻り売りで臨めば、今年の前半半年はFXの中でももっとも利益を出すことができた通貨で投機筋もこれにかけてきた向きがかなり大きかったようです。
■ポンドドル 日足推移
上のチャートをご覧いただいても分かる通り結果的に今年の3月13日からは戻しても延々と下げてきたわけですから両方向取ろうとせずにひたすら戻りを売ってトレーリングストップを置いて戻りはじめたらリカクするという方法をとればかなりの利益を稼ぐことができてきたことは事実で、とくに明確な動きが出やすい対ドルでの取引がかなり有利であったことがわかります。
さていよいよ10月末のBREXITに向けて政治的な駆け引き、とくに英国内での政治闘争が激しさを増してきており、秋口は円高傾向が強まりそうであることからポンド円での取引をしてみるかどうかを迷うトレーダーの方も多いことと思います。
ニュースのヘッドラインで常に上下にぶれるのが心地よいかどうか
ポンド円の8月の初旬から足元の9月2日までの相場を見てみますと以下のようなチャートになっています。
■ポンド円4時間足推移
8月初旬から9月2日まで 8月のポンド円はご覧の通りかなりのボラティリティを発揮して確かに売りでも買いでもうまく取引ができれば、毎日2円以上の利益をドルこともできる相場状況となっていたことは事実です。ポンドにかなり慣れているトレーダーであれば結果的にテクニカルだけで短い時間足での利益獲得に成功して相当な利益を確保できた方もいたであろうことがわかります。
ただ、材料はボリスジョンソンが国内で野党と戦うために議会を休会にするとか、あるいは議会を解散して選挙を行うという恫喝をかけることで野党と足の引っ張り合いをするといった独特の事態に陥っており、本質的なBREXITの対EU交渉が進んでいるわけではありませんからもっぱら政治のテクニカル的な動きにアルゴリズムが過剰に反応するだけになっていますので、独自の判断でセリングクライマックスが近づいているといった発想から買い向かってしまったりしますととてつもない損失を食らう可能性が高く、よほどしっかりタイトなストップロスを入れて取引をしませんと本邦個人投資家の一切損切りしない売買手法では手に負えない状況に陥るリスクがかなり高くなりそうです。
ポンド取引には一定の慣れも必要
ポンドは対円でも対ドルでも日常的にかなりよく動く通貨ですからドル円の延長線上で売買をしてしまいますと結構大きなやられになるリスクがあることはあらかじめ知っておきたいところです。やはり慣れや好き嫌いの問題が結構絡むことになりますので、どうも苦手であると思ったときにはやはり日常的に取引してうまくいっている通貨ペアを選択するのが安全です。
FXの場合様々な通貨ペアが設定されているわけですから、相場のテーマになっている通貨を利用してうまく取引するという発想は決して間違ってはいませんが通貨によって動きには大きな変化が現れるのも事実ですから、プロが取引してもどうもなじめないというものがあるのは事実です。
このあたりの感覚は実際に取引したうえで違和感を感じるなら無理をして取引を続けないという勇気も必要になります。非常に感覚的な話になって恐縮ですが、人が取引をしている関係上うまくいく通貨ペアと必ずしもそうではない通貨ペアがあるということはしっかり理解して冷静に判断することが重要になります。
とくにここからはボラティリティが激しさを増すことになりますので、うまく取引できないのに闇雲にポンドを扱うというのは非常に危険です。今のうちにしっかり自己判断しておきたいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)