火曜日の為替市場は週明けの月曜日、早朝だけ大きく売り込まれたあとギャップを埋める形でNY市場の株価の上昇に合わせてかなりの戻りを見ることになりましたが、火曜日にはまたその巻き返しが出てしまう非常にやりにくい展開となってしまいました。
ドル円を取り引きする多くの個人投資家は1月3日の大きな下落のあとの戻しの記憶があるのか月曜日の動きをみるとさらに上値を試しに行くかもしれないというまさかの展開がだれしも頭をよぎったものと思われます。
しかし、実際には106円台は結局のところストップを無理やりひっかけにいったわけで、東京タイムは月末がからみ実需の売りがびっしり上に並ぶ始末で106円台に戻っても滞空時間がきわめて短い状況となってしまっています。
だれしもが下落方向に動きそうだとイメージするためショートは溜まりがちになるわけですが、それでもやはり戻り売りが機能することを見せつけられた相場となりました。
今週後半にむけては月末の特殊需要が為替相場に登場することもかなり意識して取引する必要がありそうです。
トランプがツイートで発言しないと方向感がでない恐るべき相場
NYの市場関係者がトランプ発言だけで猛烈に動く相場に呆れているという記事が米系のメディアにも出ていますが、たしかにその通りで相場の同意はトランプ発言だけが材料となる、きわめて不思議な事態に追い込まれています。
したがって昨晩のようにこれといってトランプネタで動きがないと株式市場も冷静になり結局値を下げるという展開になっていることがわかります。
これはひとつにはアルゴリズムがあまりにも馬鹿正直にニュースのヘッドラインの内容に反応してしまうからでウソか本当かわからなくても中国との交渉再開というヘッドラインがでれば思い切り買戻しがかかりますし、トランプが憤慨したツイートを連発すれば必要以上に売り込まれるという、人の裁量取引以上のデフォルメした動きがでることがかなり市場に影響を与えているように見えます。
間違いであろうが正しかとろうが相場が動いてしまうのは事実ですから逆らうわけにはいきませんが、やはりファンダメンタルズの本質を見ることでそのフェイクな動きにごまかされない目利き感を養うことが必要になりそうな状況です。
いよいよ9月相場
さて、今週で8月も早いものでお仕舞いということになりますが、やはり円高にシフトした怒涛の一か月であったことが強く印象付けられています。
9月相場は頭の一週間ドル円は下落してもそのあと値を戻すことが多いわけですが、果たして今年はそういう動きになるのかどうかに注目が集まります。
月の後半にはFOMCを控えていますし相変わらず利下げが相場を動かす材料になることは間違いありませんが、ECBも緩和措置を持ち出そうとする相対的な中にあって円が売られやすい環境ができるのかどうかはかなり怪しいものがあり、一旦105円割れを明確にした以上年末に向けて再度100円方向を試すことも相当意識しておく必要がありそうです。
なにより米株市場がこの8月のトランプ発言起因の大幅下落相場をこれで終焉させたのかまだここからの継続させるのかが非常に気になるところです。
1998年と相場の動きが同じならば9月の頭にむけてもう一波乱あってもおかしくはないものがあり、しかも9月中盤はリーマンショック発生から11年ということですから嫌な時間帯が続くことになります。
いずれにしても不可解な相場の動きに巻き込まれて大きな損失を出さないように引き続きかなり慎重に対応していくことが求められることになりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)