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米国が中国をついに為替操作国認定

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刻一刻と状況が変化することからコラムの内容が現況に追いつかない状況になりつつありますが、5日(日本時間の6日早朝)とうとう米国が中国を為替操作国に認定したことからドル円は一段と円高方向に動いています。
そもそも為替操作国とは、米議会が米財務省が発行する報告書に内容に基づいて為替相場を不当に操作していると認定した国のことを指します。
この為替操作国として認定されるためには次の3つの条件をクリアしていることが必要と言われます。
●対米商品収支黒字200億ドル超過
●国内総生産(GDP)比3%を超える経常収支黒字
●GDP比2%を超える外国為替市場でのドル買い越し
80年代から90年代にかけては中国や台湾、韓国が為替操作国に認定された歴史がありますが、今回の中国の認定は実に二度目のこととなるわけです。
この為替操作国に認定されたことで米国は二国間交渉において通貨切り上げを強烈に要求することになりますし、関税制裁を発動することになるわけで、関税の税率がさらに高まる可能性にも注意が必要になりそうですし、中国人民銀行によるレートの発表がさらに注目されることになり東京タイムは結構リスキーな時間帯になりそうです。

米国はプラザ合意2.0を加速させる可能性も

このコラムでもすでにご紹介していますが、トランプは政権発足当時の2017年から経済の専門家を集めてプラザ合意2.0、つまり新たな為替でも主要国間の合意を求められないかの検討に入っているといいます。

もちろん最大の対象は中国ですが、EUも日本も巻き添えを食う可能性は極めて高く、特に日本は円安の是正をかなり強固に求められることになるでしょうし日米通商協議で為替条項を入れるのはもはや不可避の状況になっているといえます。
一旦は6月のG20で休戦状態に入るかに思われた米中関係ですがこうなると経済を媒介にした本格的な戦争状態となるのは必至で為替については米国主体で極度の緊張状態に陥ることは間違いなさそうです。

ドル円は確実に下値方向への動きか

6日の東京タイム序盤では105円台中盤あたりをうろうろしているドル円ですが、ここから今週、そして国内勢がいなくなるお盆休みの来週どこまで値を下げることになるのかが非常に危惧される状況で決してレベル感で買い向かえない状態が続きそうです。

おそらくドル円のマザーマーケットである東京タイムに年初の安値105円割れ(正確な価格水準は業者によってまちまち)を試しに行くことになるものと思われ、早ければ今週中に実現してしまいそうな嫌な雰囲気です。
米国の為替操作国認定をめぐる中国からの反撃も非常に注目されるところで元安のみならず保有米国債を大量に売るといった異例の事態になれば債券が暴落することも考えられるだけに、2915年の人民元ショックを思わせるようななんとも深刻な状況に直面していることがわかります。
この動きはきわめて政治的な対立をもとに示現しているものですから予想が立てにくく、しかもどのぐらいの相場の変動がでるのかもよくわからないことから相当慎重にトレードすることが求められそうです。
特に要人発言で大幅下落した場合には回復するのも早いという特別な状況になることが考えられますので、突っ込み売りだけは避けたいところです。
どこかのタイミングで猛烈なショートカバーが入りますとせっかく下落相場で儲かった利益も吹っ飛びかねません。とくにお盆休みの後半にかけては十分な注意をしていく必要がありそうです。それにしても一転して物騒な相場展開になってしまいました。
(この記事を書いた人:今市太郎
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