いよいよFOMCの結果発表が8月1日の午前3時に迫っています。事前段階から利下げが織り込まれているわけですからそれまではドル円も噂の段階で下値を試すことになるのではないかと思われましたが、週が明ければ108.400円も割れなくなっており、下値は限定的な状況で推移しはじめています。
果たしてFOMCの結果を受けてドル円がどうなるのかは結構微妙なところにさしかかっており、ややもすれば皆が考えていなかった109円乗せの方向に一時的にせよ動く可能性も視野に入れておくべきかも知れません。
ここまではとにかく戻したら売りで対応して確実に利益が上げられていますが、いよいよFOMC本番ということで同じやり方が通じなくなることも考えておくべき時間帯に入ってきているようです。
まずは本日の東京タイムからNYタイムにかけての動きをみながら1日午前3時の方向感を探る展開が続きそうです。
特に米債の金利と株価の動きが果たしてどうなるのかは大きなチェックポイントであり、株価が大きく売られるようになった場合にはドル円もそちらにつられる動きを示現する可能性もありそうで、かなり注意が必要です。
日銀政策決定契合の結果はやや失望売り
昨日の日銀政策決定会合のほうは大方の予想通り変化なしの状態で必要とあらば躊躇なく緩和をするといった黒田総裁の前のめりの発言でも相場が大きく動くことはなく、逆に多少ドル円は売り込まれる場面も見せましたが、こちらも大きな挙動にはならずに通過しています。
ドル円1時間足推移
上のチャートは先週末から今週に入ってのドル円の1時間足の推移ですが、ご覧の通り108.400円を割れずに推移しており、FOMCで一旦相場が材料出尽くしになったときに果たして誰もが想定しているように米債金利が低下し、それに連動する形でドル円が下落に転じるのかどうかはパウエル議長の記者会見を見ながら様子を見る必要が出てきているように思われます。
為替相場というのは往々にして市場参加者が嫌がる方向に動きやすくなるものですから、とにかく事前の段階で売り持ちのポジションを持っておくのは危険になっているとも言えそうで、実際の相場の動きを見ながら適宜判断することが重要になりそうです。
109円を超えれば109.300円レベルまでの上昇を想定
現状ではドル円は想像以上に109円にストップが並び始めているようで明らかに相場は下目線で売りを考える市場参加者が多いようで、こうなると逆に109円を試しに行こうとする向きが登場してきてもおかしくはない状況にあります。
実際にはかなりの売りとその上のストップロスの混在でどこまでFOMC前に上昇できるのか、あるいはFOMC後に上昇するのかはよくわかりませんが、仮に突破した場合には109.300円レベルまでの上昇は視野に入れておくべきでしょう。
ただし、ここからがややこしい話になりますが、一旦109円台を付けた場合は再度それが戻り売りの絶好のチャンスになる可能性は高く、ショートが無理やり切らされてところで徐に下落への道をたどるということを考えておく必要がありそうです。
ここ2日間あまり、ポンドがボリスジョンソンにより合意なき離脱になるのではという憶測から想像以上に売られる始末で、結果としてドルが買われる事態がドル円も上昇という形で示現するようになっています。
つまりドル円は異なる要因からまさかの上昇ということも十分にあり得る状況である点には相当な注意が必要です。いずれにしてもFOMCの結果発表は目と鼻の先に迫っていますので、方向感がよくわからないと思ったときはとにかく様子見で結果を見てから相場の動きも確認して判断しても遅くはなさそうです。
ここまで来ていますからあわてる必要はなさそうで、じっくり構えてこの動きの本質を見極めたいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)