株式市場も為替市場も来週のFOMCに向けて妙な期待が高まって株は上昇、為替はドル円が下落となりましたが結局のところ0.5%の利下げを織り込むのはさすがにやりすぎとばかりに巻き戻しが入る状況で、結果として為替は上にも下にも行かれないモラトリアムな時間帯に突入してしまっています。
梅雨明けで天気でもよければ夏休みでトレードから離れるのも一つの手ですが、どうもそういう感じでもなく、なんとも手持無沙汰な時間だけが過ぎていこうとしてる状況です。
今週は恐らくECB理事会を受けて何等かの動きがでるのかもしれませんが、緩和の予告がでるだけでしょうからやはり大きく動くのは週明け、月末ということになるのだろうと思われます。
なんとも緊張感のない時間帯が延々と続きますが、来週以降は急に相場の雰囲気が変わることも想定されるだけにぼんやりせずにしっかり準備をしながらFOMCを待ちたいところです。
米株もドル円も材料出尽くしになるのかさらに上昇するのか
とにかく今週は相場全体が様子見ムードになるであろうことからだらだらレンジが継続するのでしょうが、来週8月1日の午前3時以降を境にして相場が大きく変化することになるのかどうかが非常に気になるところです。
7月FOMCでは利下げはすでに織り込んでいますが、0.5%でなかったことで失望売りがでるのか、改めて利下げが現実のものになったので株価は上昇し、債券金利は下がることになるのかが注目されます。
利下げ直後ということではありませんが21世紀に入ってからの二回の利下げではその後ほどなくして株価が下落しはじめ、それにつられる形でドル円も大きく下落する状況に見舞われています。
その過程で米債のイールドカーブは一時的にもとに戻る動きになっていますが、その後は相場が大きく崩れる展開になったのはよく知られている状況で、今回も利下げ後にそういう動きがでるのか、あるいはさらに株価は上昇を続けることになるのかが今のところまだよくわからない状況になりつつあります。
時期的には8月の米株は緩む時期になりますし、ドル円も円高になりやすい時期ではありますが、絶対に円高になるとは言えないのもまた事実です。
ただ、トランプ発言でもドル安円高にはなりやすいことから一応は下方向を意識したトレードをしておくことが重要になりそうです。とにかくFOMC後の相場の初動を確認し、その動きが増幅するのかどうかをしっかり見極めてからどうするかを判断することが大切です。
株がそのまま上昇してもドル円は下落という可能性も
ここからはいろいろな可能性を探る話になりますが、仮に株がそのまま上昇を維持して下げないとなってきても為替の方は債券金利と連動する形で下げる可能性がありそうで、米債がどういう動きをするのかにも注目が集まりそうです。
すでに昨日のコラムにも書いていますが、万が一米国が為替介入に踏み切るといった話が顕在化してくればFOMCの結果とは関係なくドル円は大きく下落することになり、相場はかなり荒れることが予想されます。ここからは何がどの順番で起きるか次第で結構市場の動きが変わることも考えられますのでとにかく断定することはせずにフレキシブルに動けるように準備をしておくことが肝要になりそうです。
今年前半ヘッジファンド勢はあまり儲かっていないところが多いようで、この夏にかけているところが増えているとのことで何等かの仕掛け売買が飛び出すこともありそうです。いよいよ来週からは相当注意しながら相場にエントリーすることになりそうで、珍しく8月相場なのに緊張が続きそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)