パウエルFRB議長の議会証言を経てとうとう米株は中央銀行バブルの最終ステージに入ってしまったようで連日史上最高値を更新する動きになってきています。
最近では高値を更新してもブルトラップでその後下げることも多いことからなかなかついていくのが難しくなっていますが、どうも今回の爆上げはバブル相場の最終ステージに入ってしまったようで、意外に高いところまで上昇する可能性も否定できない状況といえます。
いままであまり経験したことのない相場になりつつありますので、常に警戒を怠らないことが必要になってきているようですし、よくわからないと思ったときは無理して相場に入らずに静観するといった勇気も必要になりそうです。
業績はまったくついてこない利下げ頼みの爆謄相場
この米株の上げでもっとも危惧されるのはなんら業績が伴って上昇しているわけではないことです。
専ら上昇の原動力はFRBの利下げだけで0%に逆戻りするまではまた何回かの利下げ余地があることは確かですが、それほど景気が悪くないときに株を上げるためだけに利下げを前倒しで行って本当にいいのかという疑問はどこまでもついて回ります。
恐らくトランプはこのまま来年の11月まで株の上昇を継続させたいのでしょうがまだ1年半の時間があるわけですから本当にこの状態が利下げだけで維持できるのか相当クビをかしげる状況で、いつ株式市場に変化が起きるのかは非常に気になる所です。
ドル円はまったくついていかない相関性皆無の状況
株はともあれ、為替のほうはといいますと欧州もラガルドの就任で緩和的状況が進むユーロも安値を試す方向にあり、世界的に自国通貨安競争がはじまっているかのようにも見える状況です。
ドル円は米株の動きにはほとんど連動しておらず、株価の上昇は下落しない底堅さにはプラスに働いているようですが、対円でドルがどんどん上昇していくようには見えない状況です。
ただ、株価が下落しはじめれば為替も下落に巻き込まれる可能性はきわめて高いことから、やはり株についても常にチェックが必要になってきているのは言うまでもありません。
今週のドル円は107円と109円の間をレンジで推移か
このバブル末期の爆謄相場がここからいつまで続くことになるのかは非常に興味のあるところですが、やはりここからは迂闊にはついていかれない時間帯で、逆に相場の上昇が止まるタイミングをみきわめたいところです。
すでに7月末の利下げは確定的であることから為替相場は月末までこれといって大きなテーマがなくなってしまった感があり、今週もドル円については107円から109円のレンジで推移していくことになるのではないかと想定しています。
しかし 7月末実際に利下げが起きたあとに米株がどうなるのかはまだかなりの未知数であり、下落に転じることになれば当然ドル円もついていくことが予想されるため、引き続き注意が必要になりそうです。
やはり本格的な動きがではじめるのは8月になりそうで、それまではちょっとした夏の初めの小休止といった状態が続くことになるのかも知れません。
トランプ発言にも注意
またトランプ大統領がドル高について相当不満を漏らし始めている点も気になるところで、今週はまだ参院選が終わっていないので何も起きないとは思いますが、来週以降は円に対してもトランプの攻撃が始まるリスクはかなり高いことから、こちたも相当な注意が必要になりそうです。
いずれにしても今まで経験したことのないような不思議な雰囲気が相場に漂いはじめており、この夢のような状態がどこで現実に引き戻されることになるのかが非常に気になるところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)