週明け早々中国が報復関税を発表したことからNYタイム米株は軒並み2%以上の下落となりドル円も一時109円を割らんばかりの下押しを示現しましたが、結果的には109円を割ることはなく意外な底堅さを見せています。
しかしここからの相場は株価次第であり、NYダウも2万5,000ドルを割るようであればかなり走りそうで、まだまだレベル感でドル円を買い向かうのは危なそうな雰囲気が漂います。
S&P500は完全に鋭角の三角から下抜け
年明けから上昇し高値更新を続けたS&P500は鋭角の三角形をとうとう下抜ける動きをみせており、ここからさらに下落するリスクが高まります。
ドル円も米株についていくとなればさらに下落することが予想されますが、NYタイムでは意外に走らずに終わっており、連休前の112円レベルからは既に3円下落してしまっていますので一旦戻りを試すことももちろん考えられそうな状況になっています。
但し、チャートの形は相当よろしくない状況で戻すとしてもそれほど大きなものにはならない可能性もではじめているところです。
ドル円日足推移
日足以上で明確なトレンドがでたら一度はついていく
ドル円の場合年間を通じても日足以上で明確なトレンドがでるのは2回か3回程度しかないのが実情ですから、こうしたトレンドがでるときにはとにかくタイトなストップロスを置くなりトレーリングストップを置くなりしてその動きについていくことが基本になります。
せっかくトレンドが確認されているのに怖がってそれに乗らないというのは利益機会をみすみす失うことになるわけですから一定のトレンドが続くかぎりはその動きに果敢にエントリーするという姿勢が重要になるわけです。
もちろん相場が一時的に反転してしまうことも十分にありうるわけですが、一旦損切をしてまた適切なところで入りなおすという動きをすればそれほど大きな損失をかかることもなく相場についていくことができるのです。
依然として残る大相場の可能性
今回の株の下落とそれに追随するようにドル円が下落を始めているのは結構大きな動きになる可能性が高く、巷で語られているように6月のG20でトランプ、習近平のボス交によりすべてが短期間に解決するといったようなものではないリスクのほうが大きくなりそうです。
とにかく米国にとっては貿易の問題もさることながら安全保障上中国に脅威を感じているわけですから構造的な問題が解決しない限りは徹底的にやることになるでしょうし、なにより個別の事案が解決しない場合には最後は為替で決着をつけるということも十分に考えられる状況になりつつあります。
2020年の大統領選挙まではまだ1年半あるわけですから、ここで多少株価が下げることもトランプはやむなしと考えている可能性も高そうで、短期に決着がつくと想定すると大きな利益機会を逸することになることも考えておく必要があります。
ドル円が108円台を下抜ける動きを示現した場合には年初につけた104円台を再度東京タイムで狙いにいくことも十分に考えられる状況で少なくともレベル感だけで買い向かうのは一時的な戻り局面ではワークしても結局失敗に終わるリスクが高まります。
トランプ政権は7月の参議院選挙が終わるまで安倍政権には日米通商交渉で厳しい条件はつけてこないといった楽観論も出始めていますが、4月の日米首脳会談前のトランプ発言を見ていますとそんなに日本に配慮した動きをとるつもりがないことも見え隠れしてきますので、こうした荒唐無稽な楽観損をあまり信用するのもいかがなものかという感じがします。
とにかく下げがテクニカル的にみても終わるまでは相場の流れについていくことで対応していきたい時間帯です。
(この記事を書いた人:今市太郎)