史上初の10連休、6営業日連続株式相場休場ということでとんでもない仕掛け売買がでるのではないかと危惧された一週間ですが、ドル円はそれほど大きな動きを示現することもなく、まだ6日は残されてはいますが、なんとか無難な相場で乗り切れそうな状況になってきています。
ドル円は上も下もリーブオーダーがぎっしりの状況
ドル円の先週一週間の動きを見ていますととにかく112円から上は想像以上に輸出税のリーブオーダーが並んでいたようで、とくに上になればなるほど大きな末広がり状態の売りオーダーの並びに相場は満足に112円台をつけることすらできない厳しい上値状況がつづきました。
また2日と3日にかけては下押しも続きましたが、結果的には111円を下抜けることもできずに週の取引を終えることとなっています。
週末、またしても北朝鮮がミサイルの発射実験をしたということで下押しの可能性はもちろん残りますが、6日に関するかぎり輸入勢の110円台でのリーブオーダーはしっかり残っていますので、よほど大きな売りの力がかからないかぎり110円台を大聴く下抜けることもないのではないかと予想される状況です。
ドル円4時間足
1月3日の突然のドル円の暴落時に下値でリーブオーダーを置いていなかったという反省から、今回ばかりは輸入勢も相当下方向にオーダーを置いていたようで、下値も想像以上に堅い一週間となったのが正直なところです。
連休明けに大きな動きがでるかどうかに注目
さて、こうなると連休があけた7日に相場がどうなるかが非常に注目されます。
通常大量のリーブオーダーを置いてもつかなかった場合には週明けから売り方も買い方も相場の中で売買を進めてくることがあるものですが、今回輸出勢については連休明けからすぐに売りを相場で大量に出してくるようには思えず、上値のほうが柔軟に推移する可能性がでてきています。
また輸入勢についても連休明けの仲値から一斉に買いを入れてくるといった状況ではなさそうですが、売り方よりは買い方のほうがリーブオーダーがつかなかったことに焦りを感じているはずで連休前に一旦ポジションを外した向きが再度買いを入れてくることを含めて下値は意外に堅そうです。
こうなるとドル円は一旦下落があればそれなりの押し目買いのチャンスになることは考えておく必要がありそうです。
日米首脳会談はなんだかわけがわからない状況
4月27日本邦がちょうど長い休暇入りした早朝ホワイトハウスでトランプ安倍の日米首脳会談が開催されました。
しかし冒頭日本側がまったく聴いていない中で5月のトランプ訪日時に貿易交渉が妥結するかもしれないといった発言をしたことから相当巻き返しに苦労することとなったようで、結果貿易交渉はライトハイザー、茂木の実務者会議で詰めていくことが確認された模様です。
帰国後安倍総理は麻生財務大臣とも会合をもっていますが、国民に開示されていないところで米国側から自動車関税と農産物の輸入について具体的になにか言及された可能性は高そうで、今後6月にかけての政権と政府の動きを注視する必要がありそうです。
とくに為替条項を通商条約の中に入れ込む話は、一旦回避されたかのように見えますが、米国側が日本にだけ譲歩する可能性はきわめて低く何等かの形で為替についても合意せざるをえないところに差し掛かってきているように思われます。
本邦側のメディアは安倍・トランプの良好な関係でゴルフをして来日時に相撲観戦をすればほとんどが解決するかのような楽観的な見通しを語っていますが、そう簡単にはこの問題が決着することはなさそうで、むしろかなり厳しい局面に入ってきていることが窺われます。
ドル円はやはり上値にそれほど大きな余地はなさそうで、上昇すれば今度は売り場を探すことが必要になりそうです。いずれにしても連休明けの東京市場からの相場の動きに大注目です。
(この記事を書いた人:今市太郎)