いよいよ今週末から前代未聞の10連休がスタートすることになります。
FX市場は特別お休みというわけではありませんから、通常通りの取引が可能になるわけですが、ドル円、クロス円など円と絡む通貨についてはお休みの関係上、莫大なスワップが支給されることとなり、うまくたちまわればスワップだけでも結構な利益がとれそうな状況になってきています。
上の表は主要な店頭、取引所FX業者のドル円スワップについての付与見込みとなります。ご覧いただくとわかる通り、かなり多くの業者が25日の朝6時にポジションを保有していれば「11日分のスワップを付与」してくれますし、26日の朝6時にもっていれば8日分が付与されるところもあることがわかります。
また豪ドル円やNZドル円などは、1日早く24日の朝6時に付与されるところもあるのです。こうなると証拠金を使いまわすだけでスワップだけでも結構利益をとれる可能性もありそうです。
しかし、相場が下落傾向にある場合には、直前に買って直後に売ってもスプレッドが開いたり、元の価格に戻らないといったこともあることから、スワップはとれたものの、売買に損失が出る可能性があるため、本当に額面通りスワップがとれるのかどうかも気になるところです。
トルコリラ円ならもっと高いスワップも
トルコリラ円は現在のところ高いところなら1万通貨で120円程度がつきますから11日付与されれば1320円、100万通貨ペアもてば25日の朝6時にポジションをもっていれば13万2000円を一瞬で確保できる可能性もあります。
ただし、こちらもスプレッドの広がり加減によっては簡単に購入したものを売り抜けられなくなることから、スワップとの相殺で果たして利益が残るのかどうかが気になるところです。
いずれにしても26日までならばお休みの期間前ということになりますからそれほど大きなリスクを抱えることはなくて済みそうで、果たしてうまく立ち回ることでスワップだけでこの一週間しっかり利益を確保できるかどうかが大きなポイントになりそうです。
連休中は売りのポジションを長期保有しても有利な業者も
逆に連休期間中はすでに大きなスワップが付与されたあとですからそれ以降の分のマイナススワップを大きく負担する必要がない業者もあり、売りで攻める場合にはこうした業者をうまく使いこなすこと重要になりそうです。
連休の前に多くの業者がスワップを設定してしまっているというのはこの話では結構大きなポイントでこれをいかに使いこなすかが成功のカギを握りそうです。
投機筋もご承知のこと
ただ気をつけなくてはならないのは投機筋もこうしたスワップの付与がされていることを知っていますから、逆にポジションを刈るような動きがでるリスクも考えなくてはなりません。
こちらの思ったとおりにはいかないということも十分にありうるわけです。さらにスワップのためだけに証拠金以上にポジションをつくってしまいますと、何かあったときにまさかの損失になる展開が待ち構えていることも一応はじめから気にしておく必要があります。
相場が安定している状況下ではスワップ狙いというのは十分に機能する売買法ではありますが、特別な10連休にそれだけを狙って売買した場合に想定外のリスクがでないかどうかはかなりよく考える必要がありそうです。
ドル円などの場合は流動性で心配する必要はありませんが、トルコリラのような通貨になりますとそもそも抱えているリスクもあるわけですから、思ったとおりに行かなかった場合にしっかり損切りをする覚悟ももって臨みたいところです。
そういう意味でいいますと、スワップ狙いだけで取引するのは想像以上に難しいものがあるといえます。
(この記事を書いた人:今市太郎)