ドル円は年明けから8週間は大きな下落から順調に値を回復して生きていましたが、とうとう9週目に下落に転じています。
このドル円、以前からも指摘されてきたことですが、一定の期間の上昇を果たしますとトレンドが終焉することが多いとされていますが、ここ3年程度は週足で、8週連続上昇した相場は一旦下落に向かうという8週説が市場で囁かれています。
とくにこうした8週トレンドがでたときには年間を通じた底値や最高値に接することが多いようで、ドル円ならではの動きということも言えそうです。今回は過去の相場を振り返りながら、この話が本当なのかどうかについて確認をしてみたいと思います。
昨年は3月末からの8週間で示現
昨年の最大の上げがでたのはちょうどこの時期と同じ3月後半から5月中盤までの8週間で瞬間的に6円60銭近く上昇しています。
年間通して10円弱しか動かなかった2018年ですから、ここが最大に上昇トレンドが発揮された期間ということになります。
相場はその後一服する形で下落しますが、10週目にはさらに大きく下落してその後はもみ合い相場へと転換していることがわかります。
2017年も9月に同様な状況を示現
実はこうした状況は2017年の9月にもみられており、9月初旬に底値を付けたドル円は11月頭まで途中多少下押しする時間帯もありましたが、ほとんど上昇傾向を持続することになります。そしてこの年の最高値をつけて下落に転じています。
相場は循環なので一定の波動は考えられる
このように、どうやら一定の循環波動があることは感じられますが、毎年のように8週間が一つの動きになるかどうかは確実視できないものがあります。
ただ、これまでもドル円はだいたい6週間から7週間を超え始めると一定の上昇トレンドが終焉することは確認されているだけに、今回の「8週上げ」の上昇もかなりいいところまで来ている可能性は高そうです。
この3つの8週間トレンドはそれぞれ時期も違いますし経済状況や政治的な状況も様々に異なる要因で動いてきたものといえますが、そうした材料を度外視して一旦8週上昇するとピークに達するという日柄的な特徴が存在するのはかなり興味深いものがあります。
ただ、今週初めにもご紹介したとおり、需給バランスから110円台に下落しても下値はかなり底堅い状況で、戻り売りをしても頻繁にリカクしていきませんとほったらかしで大きくとれる相場ではないこともまた事実のようです。
足元ではとにかく「BREXIT」騒動がどう収まるのか、また米中の貿易協議がどう決着するのか、あるいはしないのかといったことで相場がかなり大きく振れることになりそうです。
3月相場のドル円が8週間という区切りの中で納まることになるのかどうかは依然不明の部分も多くなりますが、一応こうした循環理論があることは意識しておいてもいいのではないでしょうか。
為替が面白いのはさまざまな要因で相場が動くにも関わらず一定の動きやアノマリーといったものが随所にでるところで、すべてを循環理論だけで見通していくのはかなり難しいものがありますが、うまく利用することができれば利益につなげることができるのです。
ここのところ不透明感が強く、なかなかトレードで儲けを出せないという方も多いと思いますが、多くの市場参加者が同じ思いで相場に接していることは事実で、たまったマグマがどこで爆発するかにも注目が集まります。
ドル円に本格的な動きがでるのは4月以降になる可能性もありますが、次はそれなりにまた大きな動きとなることにも注目したいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)