読み込み中...新年早々大暴落となってしまってFX市場のおかげで個人投資家のかなり多くが投入した証拠金の殆どを失ってしまったようで、それなりの資金を再度用意して相場に戻れない人たちが実はかなり多くなってきているようです。
金融先物取引協会は毎月後半に前月の国内店頭FX通貨ペア別取引量を公開しています。詳細はこれを待ちたいところですが、国内では2018年には市場に参加する個人投資家の実に61％程度がドル円を取引しており、クロス円でカウントすると実に90％近くのシェアになっています。
ですから、ドル円の暴落と連動して下落したクロス円トレーダーは広く損失を被ったことが予想されます。これが影響しているのかどうかははっきりわかりませんが、FX市場はとにかく1月末から2月に入っても非常に膠着しており、全然動かないというのが正直な感想になりつつあります。
本邦株式市場の個人投資家も沈鬱感満載
昨年鳴り物入りで上場を果たしたソフトバンクの資金調達額は2兆3500億と国内では過去最高で、このうちの大半が個人投資家が購入する形となり昨年12月19日に上場して以来、かれこれ2か月近くが経過しようとしています。
しかし、当該株式は一度も公開価格1500円を上回ってはおらず、わざわざ総出で新規に証券会社に口座開設をして、なけなしの資金を投入し新規に市場に参入した個人投資家は押しなべて損を食らって取り返せない状況が続いています。
先週末の相場では1270円レベルですから購入した甲斐は全くないわけで、かなりがっかりされた方も多いことでしょう。その一方でソフトバンクグループは集めた資金で自社株買いを行うと発表して、親会社だけは株価が上昇するという実に理不尽な展開になっています。
当然損をさせられた向きは株式市場に嫌悪感をもつことになりますし、せっかく3万人近くも国内株式市場に足を踏み入れた顧客は、総じて市場から撤退しようとする動きになっており、なんら活性化することがない残念な状況が継続中のようです。
証券会社も蓋を開いてみたら大打撃
年末に向けて幹事の証券会社は新規のはめ込み営業を必死に行ったわけですが、ソフトバンクの資金流入業が多かった証券会社ほど昨年10～12月期の募集・売出取扱手数料は前年同期比を大幅に下回り結果として手数料収入が激減するという、笑うに笑えない結果となってしまっています。
また新規に獲得したもののソフトバンクの株価推移に納得のいかない顧客が延々と同株価の低迷原因の説明を求められることから、新たなビジネスに時間が取れないといった大きな問題も生じているようです。
月も取引手数料収入に影響がではじめているようで、一世一代のビジネスチャンスだったはずのソフトバンク株IPOではSELL SIDEもBUY SIDEも全く儲からなかったという皮肉な事態の陥ってしまったようです。
政府の出鱈目国家統計示現で外国人投資家もドン引き
さらに厚労省の毎月勤労統計のデータ偽装をきっかけとしてGDPの水増しも別にアベノミクスの成果ではなく、実際にはほとんど500兆円水準から伸びていないことがもろばれしたことから外国人投資家も積極的に日本市場に資金を投入するという姿勢が失せ始めております。
残念ながら日本株市場は証券会社の都合のいいおかかえアナリストの超楽観主義的相場見通しとは裏腹に、ここからもかなり低迷しそうな地合いになってきているようです。
当然為替のほうは日経平均が下落すればドル円もその動きに連動したものにならざるを得ませんから、国内市場の要因でドル円が上昇することはほとんどなさそうで、上値は重くなる一方のようです。
今月後半、もしくは来月以降にいよいよ日米通商協議がはじまりそうですが、米系の投機筋は一斉にドル円で円買いを仕掛けようとしているようですから、とにかくドル円、クロス円は上昇したら売り場を考えることが重要になりそうです。
FXも株もそうですが多くの市場参加者が損をさせられてしまう相場の後にはいいことは起こらないというのが現実などだろうと思います。それぞれの業界として、やり方を変えるべき時期が来ているように見えてなりません。
（この記事を書いた人：今市太郎）
