年初、正月早々からかなり激しい動きに見舞われたFX相場ですが、ここへきてユーロも方向感のない動きになりつつあります。経済指標も悪化し始めていることから、ユーロドルがドル高方向に動いていることもあってドルインデックスは、かなり堅調な地合いを示すようになっています。
ドル円も一旦はかなりいい所まで戻した感がありますが、相対的に見てドル高が示現しているだけで、ドルが必ずしも強いわけではないことからここからどこまで戻るのかも大きな問題になりつつあります。
今週はBREXITの投票とともに後半から米中首脳会談の結果、FOMCといくつかイベントが続くことから、このあたりが材料になって相場が動き出すまではどうもまた膠着状態が續きそうな気配が強まっています。
米国政府機関の閉鎖はとりあえず3週間の期限付きで再開が結締していますから、日米首脳会談が開催されるようであれば、また円高要因も顕在化してくることが予想されます。
ポンドはハードBREXIT期待の巻き戻し
ポンドに関してはハードBREXITが遠のき、一旦は離脱の期限を延長する動きがでることがかなり期待されていることから売った向きの猛烈な買戻しが出ており予想以上に戻す相場になっています。
しかし相変わらずニュースのヘッドライン次第で相場が上下していますから、まだまだ予断を許さない状況です。迂闊にエントリーすれば投げと踏みの応酬に巻き込まれかねない状況で、かなり慎重な取引が求められる時間帯になっています。
運よく1回や2回利益がだせても、それが継続できるかどうかはまったくわかりませんから、よほど情報をうまくキャッチできる向き以外は静観しておくほうが間違いなさそうな状況といえます。
月末からのリスクは市場の楽観論の巻き戻し
アルゴリズムがメディアのニュースのヘッドラインに過剰に反応することが影響しているのか、市場は米中貿易協議についても英国のBREXITについても妙に楽観論だけが先行した相場になっている点が気になるところです。
いずれもまだ決定的な決着がついているわけではありませんから、いきなり状況に変化がおとずれ市場期待と別の結果がでた場合には激しく巻き戻しが起きる危険性についても意識しておく必要がありそうです。
とくに米中貿易交渉については知財関連で米中の溝は全く埋まっておらず、中国が提示してくる小手先の貿易増加策だけで果たして決着がつくのかどうかはまったくわからない状況にあります。
FOMCは声明文とパウエル発言に注意
1月FOMCはすでに利上げなしで市場のコンセンサスが得られていますが、年末から急に変節したパウエル議長の利上げ凍結発言がどう継続するかに加え、そのほかのFOMCメンバーの今後の利上げに対する意識の変化に大きな注目が集まりそうです。
基本的にトランプ政権とは独立した存在を謳っているFRBですが年末ムニューシンがトランプの名を借りて招集した金融作業部会がFRBパウエルに何等かの形で株価を下げないようにするため協力を求めたか利上げを留まるようにプレッシャーをかけたのはほぼ間違いなさそうで、年金の買上げとパウエル発言でなんとか米株は下げを止めた状況となっています。
しかしここから今の材料だけでさらに戻すかどうかは不明の状況で、FOMCでの今後の利上げ見込みはかなり株と為替に影響を与えることになりそうです。
今年はほとんど利上げなしとなればドル円はまたしても円高方向に動き出すことも予想されますので、とにかくFOMCの結果を待ってその後の取引を組み立てていきたいところです。
このように今週の材料は後半に向けて豊富ですが、結果どうなるかはあまり事前に決め込まないほうがよさそうで、柔軟に対応することが求められる一週間となりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)