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ドル円暴落から一週間、改めて取引すべき店頭FX業者を再検討すべき

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ドル円が不意打ちのように3日の朝に「フラッシュクラッシュ」を起こしてから、かれこれ1週間が経過しようとしております。
強制ロスカットで多額の資金を失ったが「メンタルが強くなった」などと間違ったメンタル強化に励む大幅な見当違いのトレーダーも散見されますが、良くも悪くも暴落による絶望感がなんとか癒されることをお祈りしたい気分です。
ところで、過去の物として受け流すことがどうしてもできないのが国内店頭FX業者の当日における価格オペレーションの問題です。実は精査していきますと、概ね三つほどのグループに分かれることがわかってきています。
一つは暴落時もスプレッドが広がらず、まるで何事もなかったかのように取引ができた業者が存在することです。二つ目は暴落が始まった途端にいきなりワイドスプレッドにして取引していたトレーダーに必要以上の損失を与えた業者です。
そして三つ目は値が飛んだり、価格が消えて売買ができなくなった業者です。価格を提示してくれるリクイディティプロバイダーがプライスを出さないのだから、値が飛んだり消えたりするのは当たり前という比較的こうした動きを擁護する発言も多くみられます。
しかし、ワイドスプレッドよりは見方によってはまともな対応で、強制ロスカットも履行されないならばこれは店頭FX業者の顧客思いの対応という見方もできます。
しかしここでフォーカスしておきたいのは、それ以外の二つのパターンで、今回はその典型的な事例をご紹介したいと思います。

スプレッドの全く広がらない代表選手SBIFX

いろいろ調べてみて驚くのは同じ店頭FX業者の中でもドル円では業界最狭のスプレッドを提供する「SBI FX」の存在です。

この業者系列会社のSBIリクイディティ・マーケット株式会社をカバー先にしているだけで、その先に具体的にどこのインターバンクがプライスを出しているのかは全く分かりません。
しかし今回の下落でも7時36分に瞬間に値が消える場面があったようですが、その後は粛々と同じスプレッドを維持しながら価格を出し続けたかなり特異な存在となったのです。
実は昨年8月10日のトルコリラ円が暴落した時も同様に低スプレッドのまま延々と価格を出し続けた会社で、実はすでに個人投資家の中でも話題になっている存在といえます。暴落という局面だけからみた場合には値が消えない、飛ばないというのはかなり安心感のある業者ということが言えます。
しかし、もともと極めて人工的に作り出している0.27銭などという狭いスプレッドがどんな時でも実現できるというのは穿った見方をすれば単なる「呑みの業者」にすぎず、顧客が損する場面では価格を出さないとかワイドスプレッドを示現させず、ガッポリ損失をいただく戦術からこうしたプレイス継続提示戦略に出ているのではないかとも思われるわけです。
この手の業者としては、スプレッドはかなり広い存在ながら一切暴落で取引条件がぶれなかったFXプライムがSBI FXに追随する存在となっています。

平時の最狭スプレッドが暴落で消え失せるヒロセ通商

通常、平時は主要通貨ペアで業界最狭スプレッドを強く訴求し差別化ポイントとしているのがヒロセ通商ですが、この会社今回の暴落後に最大「112.1Pips」までスプレッドを拡大し、ドル円以外のクロス円もワイドスプレッドにした代表的業者となってしまいました。

この業者、開示されているリクイディティプロバイダーだけでもかなりの数で、ドル円についてどの業者を利用しているのかはまったくわかりませんが、競合他社ともそれほど遜色のないカバー先を設定しているのに、正月休みとはいえここまでワイドスプレッドを出さなくてはならないのかという疑問がよぎることになります。
そもそも「NDD業者」ならばすべてのオーダーをカバー先に出しているのだから、プライスが出ない以上ワイドスプレッドやむなしという発想はよくわかります。
しかし、すべての顧客オーダーをカバー先に出しているわけではない店頭FX業者において、同じ最狭スプレッドを提供していてもSBIFXとヒロセ通商がどうしてここまで違うものになるのかという点についてはいくら調べてもまったく理解できないのが実情です。
ただ、この業者ワイドスプレッドではかなり過去にも前科があり、大きな価格変動があるとカバー先からのプライス提示の問題ではなく、自社のリスクヘッジで自動的にワイドスプレッドを示現させているのではないかという辛辣な見方もできるわけです。

同じ店頭FX業者なら闇雲な損害を与えない業者に変えるべき

国内に存在する店頭FX業者は長らく「DD方式」と呼ばれる社内ディーリングデスク利用のオペレーションを行っており、これがあるかぎり顧客のオーダーと反対の、いわゆる利益相反するオペレーションを必ず行っている状況にあります。

したがって顧客の損失は丸々業者の利益になるリスクはどこを利用して取引してみてもたいして変わらないと言えます。
したがって、故意にワイドスプレッドがでて強制ロスカットをつけさせられたり、「値飛び」や「値消し」から証拠金以上の損失を招いて追証を要求されるような業者は、できるだけ利用しないのが、今年のようなかなり相場リスクの高い市場で生き残るためには重要な選択となるのは言うまでもありません。
本質的には何をやっているのか今一つ理解に苦しむ存在ではありますが、SBI FXトレードやFXプライムで取引した方が少なくともヒロセ通商のような対応をする会社よりは多少なりとも安全であることだけは間違いなさそうです。
海外FX業者のようにNDD方式やゼロカット方式が実装されているのに比べれば透明性は必ずしも高いとは言えませんが、国内業者をあえて利用するならばこうした視点から取引先を変更するというのも重要な戦略になることを改めてお考えいただければと思います。
(この記事を書いた人:今市太郎
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