米国の感謝祭を過ぎていよいよ年末に向けた相場が展開する時期ですが、今年に限って言えば年末の上昇相場が本当に期待できるのかどうかよくわからない雰囲気が漂いはじめています。
ドル円30分足
感謝祭期間中のドル円相場はさすがにお休みということもあって、ほとんど動きませんでしたが、23日は半日だけ開いた米株市場が原油先物価格の下落で大きく下押しする結果となったことから、つられて下落する羽目になり一瞬112.662円まで下押しする瞬間がありました。
市場参加者がほとんどいない中での下押しですから瞬間的なものではありますが、本来多少なりとも上昇する時期のドル円は今年アノマリー通りの動きになるのかどうか正直なところよくわからないのが実情で、早晩戻りを試す展開が訪れることも覚悟しておく必要がありそうです。
延々と続く英国のBREXITリスク
この週末感謝祭とは別にEUでは英国のEU離脱を巡っての協議が行われ、なんとか離脱案についての合意がはかれれることとなりました。
ただしこの案は英国の議会を通過する見通しがほとんどなく、しかもメイ首相の保守党における信任投票の可能性も残されていることから、どこかのタイミングでいきなりメイ首相がさじを投げて辞任ということになれば少なからずクロス円が売られて、ドル円もそれなりの瞬間的下押しに見舞われる可能性は十分に残されている状態で、年末だからドル円上昇と行くかどうかがまったくわからないのが正直なところです。
時期的にはドル円のドル買い需要はかなり旺盛がなずで、何があってもそれほど下押しすることはないとは思うのですが、こればかりは実際に起きてみないとどこまでの下押しになるかはわからない状況です。
いまのところメイ首相は続投の意欲満々の状態ではありますが、いきなり想定外の展開になってもいいようにドル円ロングのポジションをとる場合にはストップロスを必ず入れておく必要がありそうです。
ポンドは確かに動きますから面白がって手掛ける方も多いと思いますが、完全に報道のヘッドラインに振らされることになりますから、超短期で売買するといった限定的な手法ができない方はやはり手を出さずに静観したほうがよさそうな雰囲気です。
多くの市場参加者が疑心暗鬼になっている可能性も
通常ならここから12月の少なくとも中盤位までは米株も堅調に推移することが期待されるのにどうも先行きがはっきりしない状況が続きます。
ここ2年あまり続いた年末に向けてのトランプラリーの雰囲気がすっかり失われてしまったのは確かで、今年に関しては横ばいの相場で大きく動かないことになるのかも知れません。
ファンド勢も年末にひと暴れというよりはすでに大半の勝負がついてしまっている可能性があり、動きがはっきりするまではもう少し様子を見るというのも一つの方法になるのかもしれません。
多くの市場参加者がこの先の動きに自信が持てないという状況がそのまま株価に現れているような印象もあり無理して取引するのは控えたほうがいいのかも知れません。
12月を含めますと今年も実質的には4週間を残すだけになっており、売買チャンスは非常に限られてきています。ここで無理をしてもほとんど意味はありませんので、とにかく方向感がつかめたところでエントリーするといった用心深い対応を心掛けたいところです。
相場の材料はだいぶ絞り込まれた感がありますが、ドルはほとんどの通貨に対してピーク感がではじめており、年内のとこかで反転下落するリスクもではじめています。ここは焦らずにチャートの動きをしっかりと見極めるようにしたいものです。
(この記事を書いた人:今市太郎)