今月もかなり押し詰まってきており残すは12月のみという状況になってきていますが、今月最後の大きな山場として忘れてはならないのがG20とそれに連動した米中首脳会談の開催です。
先週末段階ではトランプがかなり楽観的なことを言っては、ナヴァロ長官が別になんら楽観的状況ではないことを強く示唆し、APECでは結局ヒール役のペンス副大統領がかなり厳しいことを言って、中国ともめまくり共同宣言もでないという、なにが本当なのかよくわからない状態が延々継続中です。
メンツを重んじる中国サイドとしては、首脳会談を実施してもなんらまとまることがないとなればドタキャンもありうる話で、そもそも会談が開催されるのかどうかはここへ来ても確定しているとは言い難い状況が続いています。
株も為替も一息ついた感があるが本当かどうかはわからない
この米中首脳会談も事前段階でまたトランプが投資家にとって心地よい発言をすれば、すかさず株価が上昇しドル円も上方向に戻ることになるのでしょう。
しかし、実際に会談を行わない、行ったがほとんど成果なしとなればまた相当下押しを余儀なくされるでしょうから、いずれにしても決定的な結果が出る前に利益が出ているならリカクして撤退しておくべきであろうと思われます。
またナヴァロ長官が口にしているように枠組み合意となっても関税の実施は十分ありうる状況ですから、市場が喜ぶほどの結果がでないことも考えられ、結構リスクの大きなイベントになってきているといえます。
とりあえず足元では落ち着きを取り戻したように見える米株、日本株、とドル円ですが本当にこれで元に戻って感謝祭相場に復帰するのかどうかはまだよくわかりませんし、なにより音沙汰のないBREXITの件が週末にむけて動き出すと欧州ネタでひと騒動ありそうでどうも安易に買いを入れるタイミングには見えないのが正直なところです。
どうしてなのかわかりませんが今週英国の話題はぷっつりと途切れる形になっており、ユーロもポンドも妙に相場を戻す場面がみられましたが、さすがにポンドはまた下方向を彷徨う形となっています。
もう一稼ぎするなら来週以降か
もう年末まで日がなくなってきていますから、早いところ相場に飛び乗って少しでも稼ぎたいと思う方も多いのではないでしょうか。
しかしこの一週間は逆にちょっと様子見をして下手に飛び乗ることで余分に証拠金を減らさない努力が必要になるのではないでしょうか。
個人的には年末に向けて例年のアノマリーをある程度踏襲する相場の動きを期待していますが、何分絶対にそうなるとは言い切れないのが正直なところですから、慌てずにさらに押し目を待つのも重要ではないかと思われます。
12月19日のFOMCを巡っては株価の低迷なども手伝って、ここからの利上げが後ずれするのではとった期待さえも登場しはじめており、実際に12月の利上げ確率さえも低下するという局面に陥っています。
次回の会合の結果を受けて利上げ打ち止め感がでれば株式市場がこれを好感することは間違いなく、年末ぎりぎりになって株を中心に遅ればせながらの状況で相場が大きく上昇することも考えられます。
こちらにも気を配りながらエントリーしていくことが望まれます。全体的に今年は本邦の個人投資家もほとんどいいことがないままにこの時期まで来てしまった感があり、なんとかひと花咲かせて終わりたいと思っている方はかなり多いはずです。
しかし、だからこそ冷静に相場の動きを見極めるというのも重要な戦略的行動のひとつです。焦らずにしっかりと状況を把握することに専念したい一週間になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)