今年も早いものでクリスマスまで40日強となりました。こうなると投資ができる日数もかなり限られることになり、カレンダースケジュールから考えると米国における感謝祭のお休み等も考慮すれば、実質一か月強の取引しかできないということを改めて認識させられます。
こうなると一応カレンダーも睨みながら相場の動きがどうなるのかについて想定していく必要がありそうです。今回はそんな視点で相場のシナリオを考えてみたいと思います。
11月は21日までで一旦終了の雰囲気
具体的に年末までのカレンダーを見ますと、すでに11月は2週間まで終了しているわけですから残すところ三週間となりますが、米国は22日から感謝祭でお休みですから実質21日までが今月の相場の山場となることは間違いなさそうです。
日本も23日は勤労感謝の日で祝日ですからどちらにしても動かないことになり、ここまで相場がどうなるのかを想定することが一つのポイントとなります。
また26日の週からはいよいよクリスマスラリーの時期になりますが、既にかなり儲かっているトレーダーはクリスマスまでそのまま休暇を続行するケースもあり、参加者がかなり減ることに加えて、流れが突然変わることもある点には相当注意が必要です。
今年の場合は10月にかなりやられているファンドも多く年末ぎりぎりまで売買を続けるケースも想定されます。12月も実質的に取引ができるのは21日までで24日以降はほとんど欧米は動かない相場となります。
こう見てきますとまず11月21日までの相場が、どうなりそうかをある程度想定した売買が必要になることがわかります。
米株は債券金利上昇でも今月はなんとか上昇を維持か
足元では米株は日本株よりはるかに値を戻していますが、依然として日々のボラティリティは大きく、完全に落ち着いたとは言い難い雰囲気を残しています。
ただ、11月に関しては、債券金利が上昇してはいるもののなんとか再上昇を果たし年初来高値までは戻さないまでも比較的堅調に推移しそうな状況になっています。
とくに21日まではある程度値を戻した展開になりそうで、ここからはドル円も米10年債金利の上昇も手伝って堅調に推移しそうに見えます。
またユーロはイタリアの予算問題がまったく片付いていないうえに英国のBREXITも一体どう決着がつくのかさっぱりわからないことから、全般的にドル高で推移しそうでこれもドル円をサポートしそうな状況です。
ただし、ドル円の場合上昇するといっても115円を超えるところまですんなり上がるかどうかは別問題で、堅調推移といっても大した値幅を稼ぐことはできない可能性が高まります。
12月初旬以降は方向がよくわからない
米株は大きな下落から戻してまだ二番底を全く試すことなくここまで来ていますが、状況次第では12月に再度二番底を試す動きがでるリスクも考えておくべきでしょう。
一般的にはドル円は需給の関係から11月、12月は陽線引けになることが多いのですが、株が調整した場合には連動して下落するリスクがあることには注意が必要です。
2016年のトランプラリーでも12月15日までは上昇を続けましたが、その後は下落に転じていますので、仮に上昇を果たしたとしても12月中旬で終了することも想定しておきたいところです。
とくに12月は19日にFOMCで利上げが実施される確率がきわめて高いので、事実を見て売りに回る可能性も考えておくべきです。
こうしてみてきますと、ここからの売買機会というのはかなり限られていますから、相場の方向を断定するのは危険ですが、流れにできるだけ順張りでついていく工夫をすることが利益のお裾分けにあずかるチャンスであることは認識しておくべきです。
また相場には絶対はありませんから、あらかじめかなりぼんやり想定していた流れと実際が異なる場合には躊躇せず一旦損切をして入りなおすといった機転を利かせることも重要です。
いずれにしてももう今年は何日も有効稼働日がなくなってきています。ここからは毎日を無駄にしないように心掛けながらトレードを進めていきたいものです。
(この記事を書いた人:今市太郎)