中間選挙を経て米株はすべて上昇に転じており、10月の下落をかなりの勢いで取り戻す動きが顕在化しています。
また株の上昇とともに債券金利も上昇しており、米10年債は開票中には大きく下げる場面もありましたが、3%台を回復しており、雇用統計の結果利上げ継続が間違いない状況が示された場合一段高になる可能性もでてきています。
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しかし債券金利上昇は少なからず株価に影響を与えるだけにここからの金利上昇にどこまで米株が耐えられることになるのかが大きなポイントになりそうで、様々なイベントを通過して最後に結局大きな関門となるのはFRBの利上げの回数とそのタイミングということになりそうな気配です。
トランプ政権も民主党も政策はインフレ必至の状況
トランプ政権の過去2年間とここからの政策は依然としてインフレを起こしかねないものばかりですが、下院を制した民主党はインフラ整備で雇用を創出したいとしています。
ですから、こちらもトランプに負けず劣らず積極的に財政出動を促すものになりそうで、どちらに転んでもここから先はインフレの到来とその加速がほぼ間違いない状況となってきています。
こうなるといくらトランプが文句を言い続けてもパウエルFRB議長は簡単に利上げを止めるわけにはいかないはずで、現状で利上げを一定のレベルで断念してしまった場合当座の中央銀行バブルは継続することができてもインフレを加速させかねない状況に陥りますからそう簡単に政策の宗旨替えはできなくなることが予想されます。
しかしこのまま政策金利を継続的に上昇させた場合には株価が持たなくなるのは必至の状況で、ゼロ金利かの上昇で社会的にも確実にその影響が出ていることも見逃すことはできません。
ここ100年余りの米国の株式市場の暴落は悉くFRBが利上げを断行した直後に起きていますから、いよいよ2019年には本格的な相場暴落とリセッション入りが到来するリスクが高まりそうで、しかもそのタイミングは我々が想定しているよりはるかに速くなる危険性がでてきています。
日米株価がこのまま年末に向けてすんなり上昇するか注目
中間選挙を経て株の買戻しが進んでいることから今年もハロウィン前後の株買いは今のところなんとかうまくワークし始めている感があります。
問題はここから何事もなくするすると株価が上昇することになるのかどうかで、今月どこかで二番底を試すような動きになった場合ドル円も大きくではなくても下方向に下落するリスクは続きそうです。
10月の米株の大きな下げで少なからずファンド勢は痛手を被っているようで、とくにFAANGに偏重投資を行ってきたファンドマネージャーは年間の利益分をすでにほとんど吐いてしまっている状況から来年席を確保することができるかどうかかなり危うい状況になってきているようです。
10月初旬の最高値の時に売り飛ばして入れば一定以上の収益を確保できたのでしょうが、年末に向けて強気の姿勢を維持していたマネージャーほど大きな損失を被ることになっており、ここから再度FAANGの下値を買って年末に備えるのか、ほかの部分で収益を積み上げることになるのかその判断次第で相場の動き方も変わりそうです。
本日のところはかなり米株の戻りも大きくなっていますが、毎日値幅の大きな変動がでるのは決して儲かる相場の動きではありませんから、おちついた相場に転換できることになるのかも注目されます。
感謝祭までほんの2週間あまりですから、ここから大きくラストスパートをかけてくる向きも登場しそうで、FX相場も相当な注意が必要になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)