中間選挙はいよいよ本日の日本時間の夜からスタートすることになり、7日の午後、ちょうど東京タイムが終了する前あたりからその結果が続々と報道されてくることになりそうですから、とにかく水曜日については十分な注意が必要になりそうです。
一部の報道では民主党優勢とされていた下院も共和党がぎりぎり過半数を死守する可能性がではじめているとのことで、とにかく結果を見るまでは何も判らない状態です。
しかし、上下両院ともに共和党が過半数を維持できるとなった場合には、また2016年の年末を彷彿とさせるようなミニトランプラリーが始まるのではないかといった期待も高まっています。
株式市場は10月に相当下落しただけにこうした期待が高まるのもやむを得ない状況ではありますが、足元の米国株式市場を見ていますと本当にそうした状況が蘇ってくるのかどうかいささか不安になります。
10月相場で大きな下げを食らったFANG株は29日以降決算という節目の内容を受けてさらに大きく下落してしまい、最後の砦となったアップルも32%以上の増益というかなりいい数字が出たにも関わらず株価は異常とも思われるほど売り込まれ、もはや米株の上昇をリードできるような状況ではなくなりつつあります。
相場ではこうしたハイテクの成長株からバリュー株やディフェンシブ株へと資金が移動し始めているようで、株式市場自体はお仕舞いになることはなさそうですが、少なくともここ数年FAANGだけ買っていれば投資ファンドのマネージャーは億単位のパフォーマンスボーナスがもらえる時代は完全に終焉した恰好で、どうみてもトランプラリー再びという状態が中間選挙後に簡単にくるとは思えない状況になりつつあります。
とくに米株の推移は非常に不安定でプラスではじまってもちょっとした報道などを受けて簡単にマイナスに転じることが多いですし、NYダウに比べてNASDAQは常にマイナスで推移することが多くなっているのも気になります。
また200日移動平均線を割り込んだS&P500はこの200日線が明確な抵抗ラインとして機能しはじめており、大きくは戻せない状態で市場参加者の期待とは異なる状態が継続する可能性が十分に考えられます。
世界の主要なヘッジファンドの運用状況をレポートしているHFRが開示するグローバルヘッジファンドのインデックス HFRXGLは10月に入ってから株の暴落とともにその数値が大きくへこむ動きをとっており、やはりかなりの影響を確実に受けていることが窺われます。
DATA FT
米10年債金利は再上昇へ
2日の雇用統計の結果を受けて10月かなり低下していた米10年債の利回りが再上昇をはじめており、株価は当然嫌気して下落しているもののドル円は債券金利のほうに追随する動きをとっています。
基本は米国中間選挙の結果待ちではあるものの、相場はすでにその結果が出る前に動きはじめており、これが7日以降変化するのかどうかにも注目が集まります。
ドル円は需給面から考えますとそう簡単には下がらなさそうではありますが、株価が再度下押しに回り始めた場合には、それなりの影響は受けることになります。
中間選挙後のアノマリー的には上昇でも今年はそれを示現しないことも想定しておく必要がありそうで、意外に年末まで延々とレンジ相場を形成してしまうといったつまらない結果になってしまうのかも知れません。
とにかく相場のアノマリーはしっかり認識しておくとしても、今年の相場がそうなるかどうかはかなり別問題になりそうですから、あくまでテクニカル的にアノマリーを実証する型になるのかどうかをしっかり見極めてからエントリーすべきです。
(この記事を書いた人:今市太郎)