8月に入ってすでに夏休み相場に突入で動かない相場になるのかと思いきや、クロス円が全般に円高に振れ始めています。これはそれぞれに事情を抱えていることに起因するものですが、ポンドは無条件のEU離脱の話がまたしても顕在化していることからドル高、円高に振れています。
また、スペインやイタリアの問題を引きずってユーロも安く展開していることから円高になりやすい状況で、NZドル円は当分利上げがないことを中央銀行が明言したことを嫌気して円高、トルコリラ円はとうとう対円で20円を割り込む始末で底なしの状況になりつつあります。
Data Chart みんかぶ
肝心のドル円はといいますと、日銀の政策決定会合直後にドル高円安を示現したものの、その後は一貫してドル安円高へ振れ始めており、今週になってからはとうとう112円台が非常に遠い状況になりつつあり、足元では111.500円にすら戻ることができない状況です。
「アノマリー」的に言ってもここからの時間帯は下値を模索し易くなりますし、FFRの問題もあって何か報道がでれば下押しになりやすくなっていることも事実ですから、週末から来週にかけてはさらに注意していくことが必要になりそうです。
注意が必要なのは13日から15日まで
国内はいよいよお盆休みに突入することになりますが、今年注意しなくてはならないのは13日から15日の値動きです。海外の短期投機筋も本邦勢がお休みなのはよく知っていますから、このタイミングに仕掛け売買がでることには相当注意が必要です。
一般的に仕掛けがでるとすれば売りになるのがほとんどでやはり「下方向」を心配しておくことが必要になりそうです。足元ではドル円の110.700円以下のレベルにかなりの買いオーダーが置かれているようです。
しかし、果たしてお盆休みにこれがそのまま残されるのか、さらに下のレベルに移動したリーブオーダーになるかによっては、すんなり下抜ける展開になる可能性もあることから、110円抜けの事態も一応は想定しておく必要がありそうです。
FFRのヘッドラインにも注意
すでに交渉開始となったFFRですが、基本的には短期間でなにか結果がでるようなものではないものの、夏休みに入っているというトランプのツイートが思わぬ形でFFRに言及することになるといきなりドル円大幅下落といったこともありえそうですから、日ごろ以上に注意が必要になります。
またちょっとしたニュースのヘッドラインでもアルゴリズムが過剰に反応しやすくなりますから、FFR関連で思わぬ相場の下落に巻き込まれることのないような注意を払うことも重要です。
一般的に輸出系企業はお盆休みの一週間はしっかりリーブオーダーを残して休みに入ることが多くなるため、来週一杯上値は重くなりそうですが、輸入企業は様子を見ながら売買することが多く、リーブオーダーが下値をサポートするかどうかはわからない状況といえます。
上述のようにクロス円全般に円高の動きが顕在化していますから、それに押される形でドル円が円高になってもまったく不思議ではありませんから、相場の方向性は断定することなく柔軟に考えておくことが大切です。
例年お盆休みに相場が動く時にはろくなことが起きないのが通例になっていますので、ポジションだけ置いて遊びに行くといったことはせずに、相場を見られないなら最初からポジをとらないといった姿勢をとることも重要です。
(この記事を書いた人:今市太郎)