読み込み中...今週のドル円はトランプのドル安けん制発言もさることながら、日銀が金融方針を変化させるのではないかという点に大きな注目が集まり、指値オペがあるたびに相場が大きく上下に振らされるといった神経質な展開となりました。
来週はいよいよその「日銀の政策決定会合」が行われることから、かなり相場は思惑で動くことが予想され、注意が必要になりそうです。
週初からドル円が大きく売られる可能性
日銀の政策決定会合の結果発表は7月31日の昼前後となりますが、恐らくその前から思惑でドル円が売られている可能性が高まりそうで、「噂で売られて結果で買い戻される」ような動きがでることにも注意が必要となりそうです。
また内容次第では大きな変更がなくても、さらに売り進められるリスクも残っており、決して市場との対話に長けていない日銀の説明の仕方次第ではかなり相場が崩れる危険性がでてきている状況です。
下値については様々な見方がありますが、まず104円台に下落したところから続いてきたサポートラインが「110.300円」あたりを走っていますから、これを下抜けると109円台まで落ち込むことは充分に考えれることとなります。
また日銀の結果を受けて、大きく買戻しが進まない場合にはそのまま継続して下値を負う動きへと転換することも考えられることから、相当相場をしっかり見てエントリーすることが重要になりそうで、迂闊に買い向かわないようにする必要があります。
BOEの政策決定にも注目
利上げが噂されてはつぶされるBOEの政策決定会合・MPCがまたしても8月2日に開かれますが、ここで利上げが本当に実施されるのかどうかも大きな注目点になります。
年初から利上げが必要と何度も「カーニー総裁」が口を開いてきましたが、結果的には実行に移されておらず、今回利上げが見送られた場合にはタカ派の審議委員が後退するタイミングでもあり、当分利上げが行われなくなる可能性もでてくるだけに大きく注目されるところです。
ポンドの下落は「ポンド/ドル」や「ポンド/円」にもかなりの影響を与えるだけにドル円にも応分の動きがでるリスクはありそうで、こちらも注意が必要となります。
とくにBREXITを巡っては交渉期限が近づいているにも関わらず、どのような決着がつくのかはっきりわかっておらず、政局もかなり不安定な状況にありますから、とんでもないところでサプライズが出るリスクは延々と続いており、MPCについてもかなり注目が集まりそうです。
夏枯れ相場に突入か
いよいよ「8月相場に突入」ということもあり、市場参加者はここからかなり減少することが考えられます。
「閑散に売りなし」という言葉もありますが、逆に流動性が枯渇した状況の中ではちょっとした売りでも相場の価格には大きく反映することが考えられますので、作為的に売りを考える投機筋などにとっては逆に少ない資金でも相場を大きく動かしやすくなりますから、ここからはかなり注意が必要です。
過去20年余り8月はどんな相場がそれまで続いていても「7割以上が円高にシフトし易い時期」になっていますので、季節的に下方向に注意が必要となりそうで、今年は特にドル円は下落を意識しておくことが大切です。
8月は7月末から開始予定が遅れていたFFR・日米新貿易協議がいよいよ開催されることになり、具体的に日本への要求が明らかになるリスクも高まります。
これまでのこうした協議の内容は外に出ないものでしたが、トランプ政権になってからトランプ自身がどんどんリアルタイムでツイートするようになってしまいましたから、思わぬ情報が提供されて為替相場にかなり大きな影響を与えることも考えてかなくてはなりません。
今年も波乱の8月になるリスクは常に想定しておきたいものです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
