週明けの東京株式市場は前場の開始段階から下落してスタートしましたが、後場にはその下げがさらに大きくなって日経平均はザラ場で500円以上の下落を記録して492円安で引けることとなりました。
またマザーズ、ジャスダックも年初来安値を更新しており、米中の貿易摩擦の問題は確かにあるもののこれといった決定的な材料がないなかで下落が大きくなったことにはクビを傾げる市場参加者が多かったようです。
この下落は午後から先物主導で始まっており、CTAや外人勢の仕掛け売りとの見方も強くなっています。その一方でドル円は日本株の下落にはまったく影響を受けず、111円台を試すこととなりましたが、さすがにかなりの大きなオプションが111円にあることから一旦振り落とされる形となりました。
ただロンドン、NYタイムともに110.500円を割るような下落もなく、111.800円台でNYタイムをひけて東京タイムへとバトンタッチしています。
後づけ理由は沢山あるが本当のところはよくわからない
ヘッジファンド勢は7月後半からかなり長期に休暇をとるのが常ですから、ここから今月後半に向けては相場がさらに薄商いになることが予想されますが、日本株は海外勢が買いにこなければお得意様は日銀ぐらいですから先物を利用した薄商いの相場下落の画策はしやすい環境にあるといえます。
しかもこうした動きにドル円がほとんど反応しないという相関性の崩れも相場が大きく下落する末期症状に現れるものでなんとも気味の悪い展開になっているといえます。
一般的に夏のこの時期は米国ダウも日経平均もシーズナルサイクルとして弱含みますからそれなりの下落を示現してもそんなに不思議なことではないですし、半期決算を終えた外人勢がそれまでと異なる戦略で相場に登場し始めていると考えればさもありなんといった状況にも思えます。
ドル円15分足
チャートで確認しますと東京タイムに入ってからは一度も110.500円を割らずに推移していますので、やはりドル円は上方向に上がりたがっていることが理解できます。
しかしここから上にはオプションも多く、利益確定や戻り売りもそれなりに控えていることから青天井のように上昇するとは思えず、それなりの逆張りも機能しそうな雰囲気に見えます。
そもそも50銭ほどの値幅もないようなところで上下していますのでスキャルピングだけもくもくとやっていればリスクなしでそれなりにとれる相場であるともいえます。
おそらくごく近いうちにこのレンジから逸脱する動きもでてくるものと思われますが、今週は4日が米国の独立記念日ですからリスク資産が大きく買われることもないと思いますし、6日の対中関税実施が正式に履行されるまではこの調子で横展開していくことになるのかもしれません。
大きく動かない相場は初心者にはやりやすい相場
さすがに日柄で20銭も動かないとなってしまいますと、完全な膠着相場で手に負えませんが、40銭から50銭ぐらいの幅を行ったり来たりする分には大きくやられる事もありませんし、枚数を増やしてスキャルピングに勤しめばそれなりに利益を積み上げることができますので、決して面白味はないものの、事務的に利益を積み増していくのにはいいチャンスであるといえます。
ただ、どこかでこうした横展開を突破する可能性がでてきますので、とくにロングをとっているときに下方向に大きく動いてもいいようにトレーリングストップを入れるといった安全策の工夫はつねにしておくことが大切なのではないでしょうか。
足元ではファンドなどの大規模な市場参加者が市場の混乱を予期するようになっているようですし、逆に今年前半にうまく利益を確保できなかった向きや、米債の売りで大きな損失をかかえてしまった向きが大幅調整に期待しているという見方も強まっており、月曜の日本株のような動きが今後も示現するとともに為替にも影響を与えるリスクは常に意識しておいたほうがよさそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)