週明け25日のNYタイムは予想通り株式市場が大きく値を下げドル円も109円を割れるのではないかと思うほど下押しを進める結果になりました。
さすがにショートが溜まり過ぎて何度かショートカバーもする場面があったようですが、戻りきらずに朝4時まえには109.300円台を彷徨う動きとなっていましたが、その後4時半すぎにNTCのピーターナヴァロ委員長のインタビュー内容がCNBCで伝わった途端に相場が跳ね上がりストップロスをつけたドル円は110.040円台まで値を戻す場面がありました。
実に60銭以上値上がりした形で、東京タイムの早朝に110円台をつけて以来10時間ぶりの高値となっています。もちろん報道によるものですからその続きがないので吹き上がったままの状態を持続することはできませんでしたが高値圏に相場水準がいきなり変化してしまったことだけは事実です。
ショートを売り持ちしていた向きは一旦切らされる形となったはずで、指標にはほとんど反応しないものの、要人発言にはこの調子で反応する相場はかなりやりにくい状況となってきています。
7月6日までに中国となんらかの調整ができれば相場は買戻し
今のところかなり中国との貿易問題に関する相場の見立ては株式市場を中心として悲観的でダウもNASDAQもそれを織り込む形でかなりの下げを演じていいますが、一転してなんらかの解決の糸口が見いだされるような話になった場合には、今朝の噴き上げでもわかるようにいきなり相場の買戻しがでる可能性もあり、下方向だけ見ていればいいわけではないことを痛感させられます。
相変わらず戻り売り主体の取引にはなりますが、あまり長くポジションを保有せずに利益がでたらすぐにリカクしておくことが必要になりそうです。
月曜日の相場の雰囲気からいきますとドル円も108円台の可能性がかなりでてきた感じでしたが、要人発言でベースのレベルが大きく引き戻されてしまいますと、その先どう動いていくかが想定しにくくなり、売っても買ってもやられてしまう向きが増えることから、結局あまり動かない相場になってしまうことも考えられます。
上下のブレに対応できるよう備える
どうもこの相場は一方向に行くことだけを想定しすぎるとかえって大きくやられるリスクがではじめています。
毎日の相場の流れの中で下方向ならそれについていくのが間違いありませんが、短時間に勝負して長くポジションを抱え込まず、流れが変わったら逆方向に売買をすることができるような柔軟性を持続することが必要になりそうです。
今週は後半にEU首脳会議もあり、メルケル首相をサポートするような内容が合意されなければ激しくユーロが売られることもあるだけに、ドルだけ見ていると間違うリスクもありそうで、最初から断定しない取引をこころがけたいところです。
また半期が終わることからLondon Fixの時間帯には実需の動きで、ユーロドルが大きく買い戻されるということにも注意が必要となります。
ドル円の場合には半期決算で相場が大きく動くことはほとんどありませんが、ユーロ円が上昇すればドル円も引きずられて上昇する動きとなることはありえそうで、木曜日、金曜日の深夜0時前後には気をつけるべきでしょう。
為替相場はいつやっても簡単なことなどありませんが、とくに政治的な要因で相場が動く場合にはまったく想定していなかった結末が登場することもあるだけに断定は禁物です。
米朝首脳会談実施までのプロセスを思いかえしてみますと、クリティカルなところまできて最後にひっくりかえして実現といったやり方がトランプ流のようですから、完全解決ではなくても中国との間になにか交渉や話しあいがもたれた場合為替中心に猛烈な巻き返しに巻き込まれないようにすべき一週間のようです。
(この記事を書いた人:今市太郎)