読み込み中...ずっと懸案になってきました国内店頭FX業者に対する一律の「レバレッジ10倍規制」がどういう風の吹き回しなのか、今回はあっさり見送られることとなり、その代わりに個別の業者に対する厳密なストレステストを行うことで、その決壊次第で個別業者にレバレッジ規制を施すという方向が打ち出されています。
足元における店頭FX業者数は世界的にも最大数の数となる60社あまりですが、厳密なストレステストでダメだしを喰らって25倍のレバが認められなくなれば、事実上この業界では生き残れないことになるため、一気に業界の再編が進む可能性がではじめている状況です。
足元の業者数は2008年ピークのほぼ半分
2007年はレバレッジの規制もなく市場は一貫して円高にシフトしていた時期には、ドル円を戻り売りするだけで多額の利益を得られた時代でした。
この時期は足元の仮想通貨ブームのように個人投資家がFX市場になだれ込んできて、店頭FX業者も雨後の竹の子のようにその数が増加し、2008年にはほぼ今の倍の数の業者が市場に存在していました。しかしリーマンショックを経て現在のほぼ60社ほどに粛清された経緯があります。
今後個別の業者に対するストレステストが実施された場合、上場大手でFX以外に商品も扱っている業者はそのまま問題なく生き残れることになりそうですが、FX専業で規模も大きくなく資本金の増強もはかれていないところは合併や統合などの憂き目にあいそうです。
今後どの業者を使い続けるかについては、今のうちに相当よく考えて複数の口座を確保しておく必要がでてきそうです。
国内店頭FX業者のビジネスは不可解な部分が多い
海外FX業者は金融庁のネガティブキャンペーンもあって、非常に危ない業者というイメージが定着していますが、仮想通貨取引業者で早くから操業していたところを「みなし法人」として適当に取引させていた経緯から考えれば、「金融庁の監督下にあるからすばらしく安全」とは言えないわけです。
たしかに海外FX業者に「いかがわしい業者」がいることは認めますが、彼らのビジネスモデルである「NDD方式」で顧客からのオーダーは一部の顧客間の相殺を除けば、すべて外部のカバー先に出してそこにマージンを載せるという形はきわめて透明性の高いものといえます。
一方国内業者のほとんどはDD方式と呼ばれる業者内にディーリングデスクをおいて、顧客からのオーダーを顧客間で相殺、業者が反対売買を行う、カバー先にオーダーを出す、呑みを行ってそのまま何もしないという概ね4つの行動で利益獲得に努めている点がNDD方式の海外業者と大きく異なる部分でもあります。
そもそも0.3銭などという狭いスプレッドを原則固定にするというのは、国内業者だけが行っているもので、こんなスプレッドだけをマージンとして業者が食べていかれないのは明白ですから、相当裏で顧客からのオーダーをベースに利益を獲得する方法をディーラーがコントロールを行っていることが予想されます。
特に新規の顧客の実に「8割以上」が参入から数か月で証拠金のほとんどを失って退場していく状況を考えますと、顧客の負けが込むことが業者の利益になっている可能性はきわめて高く、そもそも顧客と業者の関係が利益相反のビジネスモデルになっていることが気になります。
さすがにカバー先を何ももたずすべて呑みだけしている業者は存在しませんが、顧客のオーダーと反対の作業をしているという点では決して国内御者は顧客ち一枚岩になっていない点が非常にきになります。
今後さらに淘汰が進んだ場合どのような業者が生き残り店頭業者自体が提供するサービスがどう変化するのかも気になるところです。
特定業者だけ10倍のレバに規制となれば、当然利用する気にはならなくなりますから、業者の変更も検討しなくてはならない時代が到来しそうです。今後の金融庁の動向にも十分に注意したいところです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
