1日に発表され発表された5月の雇用統計は非農業部門雇用者数は予想を上回り+22.3万人の増加となり、平均時給も前年比+2.7%の増加、失業率は予想を下回り3.8%と軒並みよい数字が出たことからドル円は続伸し109.730円レベルまで上昇することとなりました。
ただその後は伸び悩み一旦押し返されており、110円台に載せるところまでは上伸することはできていない状況です。ただ、今回の数字が良好であったことに加え、その後発表された米・5月ISM製造業景況指数は予想を上回り、58.7となったことから、6月のFOMCでの追加利上げは確定的な状況となり、今後の焦点は年間4回の利上げが実施されるかどうかになりそうです。
先月まではほぼ100パーセント織り込んでいたはずの6月FOMCの利上げは一旦確率が低下していましたが、これで間違いなく実施されることになり、ここから債券金利がどのように推移していくかが注目されます。
イタリアは新内閣発足で一旦落ち着きを取り戻す
一方今週突然大騒ぎとなったイタリアの政情不安ですが、マッタレッラ大統領が5月31日、法学者のジュゼッペ・コンテ氏と会談し、同氏を次期首相に指名したことから、さらなる政治空白は避けられる見通しで閣僚は主に反体制派政党「五つ星運動」と右派政党「同盟」の両党から選出されることとなり、一旦はイタリアリスクは終息することとなっています。
ただ、連立政権は誕生したものの主義主張の全く異なるふたつの政党が果たしてうまく政権を運営していけるのかどうかは判らず、しかもEU懐疑派政権が樹立したことからまだ火種は十分に残された形となったことが気になるところです。
ユーロはこうした状況を受けても依然不透明感が色濃く残っており大きく買い戻されるところまでは、上昇しておらず、ユーロドル、ユーロ円ともに週明けからどういう動きになるのかに関心が集まりそうです。
関税問題が本格的な貿易戦争になるかどうかも注目
今週もう一つの懸念事項として顕在化した米国の鉄鋼とアルミに関する欧州、カナダ、メキシコへの関税実施問題はさっそく欧州、メキシコからの報復措置がでており、簡単には終息しない状況となってきています。
週末には米国の商務長官が中国入りして交渉を継続する予定であることから、米中でも話がこじれることになると週明けからまたリスクオフ相場に転換する可能性も捨てきれない状況です。
どうも市場は方向感の異なる材料が矢継ぎ早に登場してはテーマから外れていくといったわかりにくい展開が継続中でひとつのテーマが終息してもまた新たなテーマが顕在化することからかなりやりにくい相場状況が続きそうです。
一旦大きく欧州がテーマになりかけましたが、ボールはまた米国に戻ってきているようで、通商問題はさらに深刻なテーマになりそうです。
政治的な状況などでなにかあると最も先に反応を見せるはずの株式市場は、全般的に主要国では高値で推移しているものの、方向感はかなりはっきりしておらず、上げたり下げたりの繰り返しを続けていることから6月に上抜けするか下抜けするかがはっきりしそうで、現状では下に抜けるリスクのほうが高くなってきているようです。
すぐに暴落というほどの騒ぎにはならないのかもしれませんが、一定の調整が出やすい時間帯だけに株式市場の下押しに為替が連動するリスクがあることも意識しておいたほうがよさそうです。
今週はかなりユーロが動いたことから週末は既に疲労困憊でほとんど動かない相場になってきてしまっていますが、週明けから新たに動意づくことになるのかどうかも注意深く見守っていきたいところです。
スキャルピングではそれなりにとれている相場ですが、長い時間足ではやはり動きがよくわからないだけに、どうなるか判断がつかない時には無理してポジションをとらないことがかなり重要になってきているようです。
(この記事を書いた人:今市太郎)