いきなり6月12日のシンガポールでの米朝首脳会談の開催中止を宣言したトランプ大統領ですが、これを受けてまだ北朝鮮が会談に意欲を示している旨を朝鮮中央通信が金正恩氏「米朝会談に確固たる意思」と報道したことから、まだ6月12日に会談が開催される可能性が再度高まってきています。
FX取引をしている個人投資家にとっては迷惑極まりない話ですが、週明けまたリスクオンの展開になることも予想され、必ずしもドル円は下押ししないことも想定する必要がではじめてきています。
結局トランプの戦術勝ちか
金正恩朝鮮労働党委員長は、26日に文在寅韓国大統領と行った南北首脳会談で、米朝首脳会談に向けた確固たる意思を示したとされています。
北朝鮮は依然6月12日に米朝会談を開く考えがあることを明確にしており、韓国と北朝鮮は、6月1日に南北高官協議を開くことでも合意したと朝鮮中央通信が報道しています。
さんざんやらないとごねておいてトランプ側からちゃぶ台をひっくり返すようにやめると言われたら、いやまだ意思はありますと答えたわけですから、完全に金正恩のほうが押される形となっているようで、まだまだどうなるかを断定することはできませんが、一旦相場はリスクオンへと復帰する可能性も出てきているようです。
ただ、会談が実現して本当になにか合意できるのかという問題は依然不透明な印象でこれ以上二転三転しないでほしいと祈るばかりの状況です。
しかし今回もトランプの作戦勝ちの様相を呈しており、外交もビジネスと同様にディールと考えて、どんなことでも簡単には譲らないこれまでとはかなり違うトランプの交渉術が相当前面に押し出されてきていることを感じます。
彼の戦争も辞さずといった強硬な姿勢は、これまでの軍産複合体の連中をも震え上がらせるようで、閣内の軍人が制止するといった逆さまの状況もかなりみられるようで政権内でも抑止できる人間がいなくなっているようです。
しかし意外な局面で引くところは引くのもトランプ流で今回の会談が一転して成功を収めた場合には支持率が一段と跳ね上がりそうです。
北朝鮮が最終的に言う事を聞くとドル円はどこまで上がる?
ここからは取らぬ狸の皮算用のような話ですが、米朝会談で一定の合意が認められ核の廃棄で何から下の確約がとりつけられた場合、為替の世界では果たしてどこまでドル円は上昇するかが気になるところです。
足元でリスクオンが点灯しても円買いは緩むでしょうが、果たしてドル円がそれを受けてどんどん上昇することになるのかどうかが注目されます。
とくに翌日からはFOMCが始まりますので市場が完全に織り込んでいる追加利上げが実施された後に相場が反転下落することも十分にありうるだけに、この米朝会談だけ単独のテーマとして相場を動かすことになるのかどうかはかなり注目されるポイントです。
これまでの相場の流れを見ていますと南北首脳会談でもとりたてて大きくドル円が買われるということはありまんでしたからよほど劇的な内容が合意されないと意外に為替の領域では静かな展開になりそうな気配でもあります。
株式市場はそれなりにリスクオンを好感することになるのだと思いますが、最近ではドル円がその動きについていっていないだけに大きな反応なるのかどうかも正直よく刈らない状況です。
6月は相場反転の時期
ところで6月は相場反転の時期にあたることが多く6月中盤までに材料が出尽くすことになりますと、いきなり相場が反対方向にトレンドを伴って動くことにも警戒しなくてはなりません。
(この記事を書いた人:今市太郎)