先週大きく下落したドル円でしたが、意外に108円台は底堅く、随時下げてお仕舞いになるといったほど弱含みにはなっていない状態で週の取引を終えています。ただ、ここからは既に110円台が相当重たい状況で、果たしてどこまで戻せるのかが大きな焦点になりそうです。
110円を超えていけばショート勢のストップもでてくることから110.400円レベルまでの戻りは十分に考えられますが、そのレベルも超えることになった場合には再度上値を試すという新たな展開が待ち受けることになりそうです。
週足では久々の陰線
ドル円を週足で見ますと、3月末から上昇してきた相場が久々に陰線引けとなっており十分に流れが変わりそうな雰囲気は醸成中です。またドル高ではありますが円高でもありますからクロス円が円高に振れた場合にはドル円がさらに下押しにあうリスクも捨てがたい状況です。
現状ではトレンドレスですからこのままレンジ相場が継続することも想定され、明確な方向は出ないまま6月相場に突入する可能性もありそうです。
またドル円は日足の一目均衡表が28日以降に雲のねじれがでることから相場が大きく転換することもありえそうです。どちらの方向に相場が変化するかを確かめてからエントリーするというのもこのタイミングでは重要になりそうです。
6月は相場の転換時期
6月のFOMCまでは引続きこの調子で推移してしまうことは十分に考えれますが、一旦111.380円レベルがピークになったことは確かですから戻り売りがかなり待っていそうではあり、上値もそう伸ばせずに下落に転じることを意識しておいたほうがよさそうです。
こうなると一目の雲のねじれと連動した動きが期待されることになります。ただし、いまごろになって108円台前半は武田のM&Aのドル買いが出てくるという噂もしきりに出ていますので、買い切り玉が待ち構えているとなると一旦108円台前半で止まったところは一回は買い向かってもそれなりに利益がとれそうな状況になっているように見えます。
残念ながらドル円は足元ではテーマ性の強い通貨になっておらず、殆どのファンド勢はユーロ売りに専念しているようですから一旦ドル円を離れて週明けからはユーロドルで勝負するというのもひとつの選択肢になるかもしれません。
日足ではユーロドルはトレンドが途切れたように見えましたが週足で再度下落トレンドが明確になってきていますので日足ともに下落トレンドが確認されれば結構深くまで押すことも期待できそうです。
ユーロドル週足
方向がはっきりしないときには短い時間足で勝負
一般的に日足から先でトレンドがでるというのはよほどの動きでないとなかなか出くわしませんから、どうも方向感が感じられないときには4時間足、1時間足と短い時間足で相場を見ていき、方向感を感じた時間足限定で売買することが比較的失敗の少ないトレードとなりそうです。
先週あたりは個人投資家もそれなりに取引が痛んだはずで、予想以上に難しい相場になったことから当分様子見を決め込む層も多くなりそうです。FX相場で勝つためにはよくわからないところではとにかく安易にポジションをとらないというのも重要な戦略になります。
月曜日は米、英ともに祝日で動きはありませんから、火曜日以降の相場に注目して一拍お休みをとるというのも重要になりそうです。
今年は昨年に比べても明らかにボラティリティが大きくなってきていますので、迂闊にレベル感だけからポジションをつくると想像以上にやられてしまうことが考えられます。闇雲に証拠金を減らさない守りの取引を進めることは想像以上に大切な心掛けです。
(この記事を書いた人:今市太郎)