読み込み中...日本仮想通貨交換業協会が発表したところによりますとビットコインなど主な仮想通貨の国内取引金額は16年度に約69兆円の市場規模となり国内ETF市場の30兆円のざっと倍のマーケットキャップを示現しはじめています。
2016年の国内仮想通貨市場の規模はざっと3.5兆円弱ですからたった1年で20倍にも膨れ上がったことがわかります。この市場多くの素人投資家が参入したことは間違いありませんが、FX市場からかなりの個人投資家が流れ込んだこともまた事実のようでボラティリティは大きくても莫大な利益を確保できる仮想通貨に国内のFX個人投資家がかなり移行したことをうかがわせる数字となっています。
ただ、足元ではそうとうおかしなことも続発しており、FX投資よりも仮想通貨周辺がはるかにリスキーであることを改めて認識すべき状況にもなってきているのです。
元GSアナリストを名乗る人物が仕掛けるICOのいかがわしさ
既にかなりネット上では告知が登場していますのでご覧の方も多いと思いますが、元ゴールドマン・サックスのアナリスト瀬尾恵子（セノオケイコ）なる人物がしかける160倍のICO案件がこの5月24日にたった3分だけ公開されるという煽り告知が出回ってかなり仮想通貨クラスタでは話題を呼んでいます。
この人物ちゃっかYouTubeの動画にも登場してもっともらしい説明をしていますが、肝心のホワイトペーパーは開示されず、いかがわしさ満載の内容となっているのです。
今回の触れ込みでは・・
・国際的企業がオンリーワン技術を用いて
・市場規模400兆円の市場で使うコイン
・実需があるので値下がりしない
・トークン配布後、速攻換金可能
というのがうたい文句で、かなり心地よい内容が連呼されていますが、一体実需と言っても何の会社なのかさっぱりわからない状況です。
挙句の果てには最近ゴールドマンサックス日本法人から異例の注意喚起文書が発行され、この人物が同社に財政した事実はないことがあえて公表されることとなっています。恐らく相当な問い合わせを受けたものと思われますが、本日24日を前にかなりこの情報は下火になりつつあります。
ICOについては明確な要件定義がないうえに既存の証券取引所におけるIPOなどとは全く異なるものとなることから主要国各国の対応もまちまちですが、少なくとも国内ではIPOの延長線上にはない、単なるデジタルのアセッツ販売に過ぎないという点が大きなポイントになります。
つまり、販売した企業にとっては売上換算になりますから有価証券を販売したのとは全く異なるものになってしまうわけで、集めた資金が資本金に組み入れられる保証はありませんし、購入したデジタルアセッツが売薬できる保証もまったく存在しない、新株発行への投資とは似ても似つかぬものであることをよく理解しておくことが必要になります。端的に申し上げればこんなものに投資しては絶対いけません。
盤石のはずのブロックチェーンがモナコインで破られる
既にこちらも先週から報道が飛び交っていますが、モナコインの採掘者によるブロックチェーン攻撃で海外取引所において日本円にし1000万円程度の損害がでてしまったようです。
仮想通貨取引所が攻撃されるのはそれほど、珍しいことではなくなりましたがブロックチェーンが攻撃をうけて損失がでるとなると聴きづてならない話といえます。
この世界は専門用語が多いのでかいつまんで平易な言葉でご説明しますとマイニングをやっていた人間がそのマイニング内容を即時に公開しないうちに、モナコインを海外の取引所に出金し、ほかの仮想通貨に交換して、ごくわずかな時間に盗みを働き自らマイニングしたデータを公開することでそれまでのデータが巻き戻し状態になり、まんまとマイニングから資金を盗み出すことに成功してしまったというのです。
もともと計算能力の高い人間が登場すればこうしたことが起きてもおかしくはないと言われていたそうですが、衆人環視でお互いにチェックしあっていて、しかも分散的なデータ管理なので早くて安くて安心だったはずのブロックチェーンの仕組みそのもので盗難がでてしまったのは実は大問題で、本来はこれだけでも仮想通貨はお仕舞いなのではないかとさえ思う事態が起きてしまっているのです。
この2つの事象はまったくレベルの違うもので、片や仮想通貨に入る手前のところで伝統的な詐欺行為の話がでてくるのが、このICO案件で、もう一方は完全にテクノロジー犯罪でブロックチェーンが負けてしまったとい極めて両極端な事例となっているのです。
こうした投資はもちちんすべてが自己責任ではありますが、浮かれて訳も分からずに投資するようなものではなくなりつつあるという点だけはかなり冷静に理解しておく必要がるのではないでしょうか？
これに比べればFXは相当安全でわかりやすい投資ということができます。
（この記事を書いた人：今市太郎）
