武田のM&A案件が正式合意となったばかりの為替市場ですが、今度はリクルートが求人関連の口コミサイトを運営する米グラスドア(カリフォルニア州)を12億ドル、日本円にして約1300億円で買収するという報道が飛び出したことからそれに伴う買いも東京タイムに出始めているようで、ドル円は一転して109円台後半まで上昇する動きとなっています。
こうした買収案件は典型的な買い切り玉となりますし、リクルートの場合には手持ちの資金から買い入れを行うとしていますので100%為替需要が出る可能性が高く、相場は一気にドル高円安へと動いています。
ゴールデンウイーク中にドル円の下値で買いが入っていたのもこうした案件が事前に動いていたのかもしれず、当面ドル円はM&Aネタで上昇することが期待できそうな状況です。
ただ、巨額の買い入れとなる武田のほうのポンドはそうした動きが顕在化している様子もないことから、M&A狙いだけで売買することの難しさもにじませている状況です。
どこかで買いは入っているのでしょうが、既に終わっているといったタイミングなのに一人で買いを入れるといったことがないように気をつけなくてはなりません。
買収案件ネタの難しいのは進捗状況が把握できないこと
この海外買収案件ネタは確実に実弾が飛び交いますから、為替にもそれ相応の影響がでることは間違いなく、しかも投機筋の売買と違って確実な買い切り玉となりますから、うまく波にのれればこんなにおいしい話しはないともいえます。
ただ、ほとんどの買収案件、しかも買収先が事前にある程度OKを出しているようなケースですと資金の手当は発表時にはほとんど終わっているケースもあることから調子にのって買い進むととんだ高値掴みにうなりかねないリスクもあってかなり注意が必要です。
たとえば9日東京タイムのドル円の買いなどはこうした動きを狙った短期のファンド勢の仕掛け買いの可能性も十分に考えられ、本当にM&Aで需要が市場に出ているかどうかはよくわからないところが難しさを誘います。
そもそも連休前にいきなり106円台後半から110円ワンタッチまでほとんど押し目なく動いた相場自体、かなり特殊な動きであったことは事実で、市場で米系短期投機筋が買い仕掛けをしていたと噂されていますが、こうした動きに乗ってすでにリクルートもある程度買いを入れていたということもありえそうで、こればかりは事実がわからないままに推移してしまうことになるわけです。
また一定のディールが終了すればそれまで一時的にトレンドがでたかのように見える相場でもいきなり終了になることも考えられますから、ある程度利益を得られればよしとするぐらいの無理をしない売買が必要になってきそうです。
M&A以外のリスク要因も満載のため相殺状況にも注意が必要
ところでM&A案件以外にも様々な要因が為替には降りかかってきていますから、その間にM&Aのディールは粛々と消化されたとしても相場が上がらないという危険性があることにも注意が必要になりそうです。
たとえばポンドドルに関してはすでに下落のトレンド入りしそうな感じで、武田自体は価格が安くなったところでポンドを購入できればそれに越したことはないでしょうが、ポンドが上昇することを見込んで購入した個人投資家は目も当てられない状況に陥ることもありうるわけです。
これもM&A狙いの売買の難しいところでご相伴に預かって儲けをいただこうと画策したつもりがちっとも儲からないということもありうることだけはしっかり認識しておく必要がありそうです。
だいたい報道を見て同じ時期から同様の方向に買いをしかけたりする場合はそうでなくても儲かりにくいわけですから、上がらないと思ったら一旦手放すぐらいの臨機応変な対応が必要になりそうです。
ドル円はまたしてもリクルートのM&Aネタ武田のM&A案件が正式合意となったばかりの為替市場ですが、今度はリクルートが求人関連の口コミサイトを運営する米グラスドア(カリフォルニア州)を12億ドル、日本円にして約1300億円で買収するという報道が飛び出したことからそれに伴う買いも東京タイムに出始めているようで、ドル円は一転して109円台後半まで上昇する動きとなっています。
こうした買収案件は典型的な買い切り玉となりますし、リクルートの場合には手持ちの資金から買い入れを行うとしていますので100%為替需要が出る可能性が高く、相場は一気にドル高円安へと動いています。
ゴールデンウイーク中にドル円の下値で買いが入っていたのもこうした案件が事前に動いていたのかもしれず、当面ドル円はM&Aネタで上昇することが期待できそうな状況です。
ただ、巨額の買い入れとなる武田のほうのポンドはそうした動きが顕在化している様子もないことから、M&A狙いだけで売買することの難しさもにじませている状況です。
どこかで買いは入っているのでしょうが、既に終わっているといったタイミングなのに一人で買いを入れるといったことがないように気をつけなくてはなりません。
(この記事を書いた人:今市太郎)