4日のNYタイム、雇用統計のほうはどうもぱっとしない数字でドル円は売られる動きとなりましたが、NYの株式市場はウォーレンバフェットがアップル株を買ったことを好感し一時400ドル超の上昇となり、ナスダックも大幅反発しアップルを始め、ネットフリックス、エヌビディア、アルファベットなど主力銘柄は揃って上昇することとなりました。
テスラも大幅反発でビッグ5株がかなり上昇したことが市場全体をリスクオン相場にしたようです。ドル円はこうした動きに助けられて一旦108円台に沈みこみましたが、復活しなんとか109円台でとどまったことから週明けさらに上昇の可能性を残して週の取引を終えています。
著名人が買ったという話で盛り上がるのは結構危険
株式市場はつねに投資の達人であるジョージソロスが購入したとかウォーレンバフェットが購入した株といったものが注目を浴びるものですが、今回もバフェット率いるバークシャーがアップルの保有株数を増加させ、第3位株主になったことからアップル株が大幅上昇し市場をけん引する形となっています。
Data ADVFN
株価が上昇するのはもちろん悪いことではありませんが、こうした著名投資家の購入についていくように我も我もという買い方が起きると思い起こされるのが昨年末のビットコインをはじめとする仮想通貨の大幅上昇で、とにかく相場に乗り遅れないようにということで厳密な株の評価とは関係ないところで多くの投資家が群がるような買い方が起きるのはどうもあまり感心できるものとはいえな状況です。
1987年のブラックマンデーではジョージソロスが大量に株を売ろうとしているという噂が市場に駆け巡ったことが結局のところ株価の大幅暴落につながり始まったばかりのコンピュータ売買がそれに拍車をかける結果となったようですが、こうした付和雷同の買いがでるということは逆の巻き戻しも簡単に起きるわけですから相当な注意が必要な相場になっているといえます。
バブル相場の末期にはこのような動きがよく見らるのも非常に気になるところです。
ドル円は109円台を回復して週の取引を終了
ドル円は今週予想以上に強含む形となりましたが、無理やり110円をつけたことで一定の達成感がでることとなり、木曜、金曜と陰線をつけてながらも週末は長いひげをつけて多少戻す形で終了しています。
依然として上方向への推移が予測されるところですが、週開け以降実需がどれだけ上値を抑えていくかが気になりますし、武田のM&A案件のその後がどうなるかにも注目が集まりそうです。
今年のゴールデンウイーク、ドル円は明らかに上値を試す動きとなり、すでにそれなりに戻してしまいましたが109円をなんとか維持できたことで、ここからトレンドが転換することになるのかについても関心が高まります。
110円ジャストには2000本以上の売り切り玉がリーブオーダーとして置いてあったようですが、今回110円をつけたことでそれがどれぐらい消化されたのかも注目されるところです。
108円以下に相当置かれていたとされる買いのリーブオーダーも週明けにさらに追いかけて買ってくるのか姿を消すことになるのかが大きなポイントとなります。
トランプにとっては気分の悪いドル高再燃
全般的には主要通貨に対してドル高がまた進み始めていますが、トランプにとっては決して心地よい話しではありませんから、どこかで口先でのけん制発言が飛び出すといきなり流れが変わることにもかなり注意が必要になりそうです。
とくに対ユーロ、対円でのドル高は米国の貿易赤字をさらに増加させかねない材料だけにツイッターなどで口先介入がでるリスクにも注意しながら売買することが必要になりそうです。
国内では一旦話題から外れていますが、日米のFTAを睨んだ交渉が進むとかなり厳しい要求が飛び出すこともありそうで、ドル円の上昇をもそう青天井が広がっているわけではないことはしっかり意識しておくべきでしょう。
(この記事を書いた人:今市太郎)