読み込み中...今年のゴールデンウイークも相場に関係があるのはいよいよ4日のみということになりました。みなさんもお気づきだと思いますが、やたらとドルが強い状況が続いており、ユーロ、ポンドに対してドルが強いことからドル円も妙に堅調な相場が続いてきているのが特徴となっています。
そんな中で例年は上値を本邦の輸出勢がリーブオーダーを並べて休みに入ることからなかなか上伸するのが難しくなるのが常であったわけですが、今年に関してはFOMCのタカ派的な動きを期待してかドル円はその直前にあっさり110円をつけに行く動きとなり、簡単には109．660円を超えられないのではないかとした市場の予想を覆す動きとなっています。
また逆に108円から下には本邦勢からかなりのドル買いのリーブオーダーがでているようで例年のゴールデンウイークとはかなり様相の異なる状況になっているようです。
実はこれに武田のM&Aが絡んでいるのではないかといった憶測が強まりつつあります。
武田のM&Aに伴う買いが既に出ている可能性
ドルが基本的にあらゆる通貨に対して強い状況があることは間違いありませんが、どうも市場では既に武田のM＆Aに絡むドル円の買いが出ているのではないかといった観測もではじめています。
すでにご存じのように武田はアイルランドのバイオ薬品メーカー・シャイアーへの買収提案を行っており、これが実現すれば日本円にして7兆円という史上最大の規模になることから少なからず為替市場に影響をあたえるという見方が広がっているわけです。
この買収提案はまだフィックスされているわけではなく9日の未明が交渉期限となっていますが、表向きに発表されていることと企業内で進んでいることは必ずしも一致していませんし、シャイアーは米国市場の株式ポーションのほうが大きいという見方もあり、ポンドではなくドルの調達が既に始まっているのではないかという噂も高まりつつあります。
これがドル円の下値での本邦勢からの買いと関係ある可能性も高いようで、ほとんど押し目もなく110円台まで到達してしまったドル円の強さの大きな材料である可能性は否定できない状況です。
さすがに真偽のほどはどこにも確認できる話ではありませんが、額面どおりポンドが上がりそうだということでポンド買いするよりはドル円に大きな影響がでることも想定しておく必要がありそうです。
金融機関からの借り入れで処理する場合為替に影響なし
この手のM&Aについてはいろいろな憶測が飛び交うものですが、単純にポンドの調達だけで済まないケースもありますし、なにより金融機関などからの借り入れで対応した場合には為替市場に直接的な影響がでないことも考えられます。
またすでにドルで一定の調達が進んでいる場合にはここからはほとんど影響がでないといった目算はずれの展開も想定しておく必要がありそうです。
なにより当該案件についてはあまり外人勢が意識していないという見方もあり、実に思惑は様々な状況となっています。まずはM&Aが正式に成立するのかどうかを見守る必要がありますし、週明けの為替相場になんらかの異変が見受けられるようになるのかにも注目していきたいところです。
この話が公になったのは3月28日ということもあり、ドル円でいいますとこの辺りから既にかなり相場が上昇していますから相当部分を織り込んでしまっていることもありえそうで実際どのぐらいのインパクトがでるのかはほとんど推定不能となっている点にも注意が必要です。
これまでソフトバンクのスプリント買収などでは実際に相当なドル高円安が示現することになりましたが、ポンドが絡む場合にはそれほど単純な話にならないこともありそうで、この話にどこまでのるかはかなりよく考える必要がありそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
