下押しが進むかと思いきや想像以上に値を戻した4月のドル円相場でしたが、いよいよ今週から5月相場へと移行していくことになります。
5月のはじめは日本だけが大型連休となることから1日、2日は本邦勢の金融機関は影響しているもののほとんど動かないのかこの週の相場の特徴といえそうです。今年はお休みの並びから見ても一週間ぶち抜きで休む企業も多そうで、基本的に国内マーケットはほとんど機能しない時間帯となります。
そのためいつもとは異なる動きが出やすくなり、とくにポジションをもったままでかけられる方はかなり注意が必要になりそうで、ロングならしっかりとストップロスを入れておくか資金を厚めに投入することが必須の状況です。下げた相場は短時間で簡単に戻ることも多いだけに、こうした展開の特徴をよく理解した対応が求められそうです。
輸出勢のリーブオーダーはかなり近くて厚めの可能性
今年3月の日銀短観に登場した本邦輸出勢の社内為替レートは109.660円ですからちょうど足元の水準がそれにあたることになります。
もちろん今年度は105円方向にその水準を下げている企業が多いことと思われますが、逆に今の水準ならかなり利益がでることになりますから、7月から9月にかけての為替の確保のためにもこの連休には先週なかなか突破できなかった109円後半から上にかなりぎっしりリーブオーダーが並ぶことになるものと思われます。
したがって上値は相当重くなるはずでチャートの形的にも一時的にせよ円高が進みそうな気配濃厚です。
一目雲の上限を抜けたドル円だが再度下方向か
ドル円日足の一目均衡表では一旦雲の上限を突破したわけですが、チャートの形状としては再度下押ししそうにも見えており、雲の上限にぶつかるところまで一旦下げる可能性が出てきている状況です。
こうなると少なくとも108円程度までは調整してもおかしくなさそうで、果たしてここからどこまで下押しするのかが気になります。
政治的通貨ペアの色彩の強いドル円だけに110円をどんどん超えて上昇した場合トランプからツイートで口先介入がでるリスクもあるだけに利益がでたらしっかりリカクしてあらたにポジションをつくるといったこまめさも必要になりそうです。
ゴールデンウイーク前後の終値と明けの始まり値だけ過去を分析してもあまり明瞭な結果がでないのが実情ですが、一時的に押しては戻すという動きが結構でることはこれまでにもみられていますから、下押しには通常以上に注意するべき時間帯といえます。
また一定の下押し時は買い場になることもありますので、どこまで下げるのかをしっかり見極める必要もありそうです。
週末は本邦勢不在の雇用統計
今週は本邦勢不在の中で雇用統計が発表されます。最近ではこの結果発表ではほとんど相場がうごかず、参加することにすら意義がなくなりつつありますが、平均時給などが改善すれがFRBの利上げペースが速まるという見方もあるだけに金利上昇局面にあるドル円はさらに上値を試す可能性も捨てきればうそれなりに注目されそうです。
ただし、利上げが加速することなればさらに株式市場を圧迫することになりますから最終的にはドル円の下落要因にもなりかねず、最初はついていっても株価次第で戻り売りに転じる機敏さを求められることになりそうです。
すでに今年も4か月が経過していますが、年初からは10円以上の動きを示現しているドル円ですから昨年の上下動は完了しており、値幅がでるとすれば下方向になる可能性が高まりそうです。
ただ、ショートが溜まりすぎれば簡単にショートカバーがでて下がらない状況になるのも事実ですから、とにかく動きを決め付けずに流れを見ながら売買することを心掛けていきたいものです。
(この記事を書いた人:今市太郎)