実質的に4月最後の相場となる27日金曜日ドル円は110円にどこまで接近して終えられるかが注目されましたが、NYタイム参入前に109.537円を瞬間的につけたのがピークで、そこからは週末、月末ということもあってポジション調整に終始する時間となりました。
一旦ピークをつけたかもしれないドル円
109円を超えてからずっと1時間足で相場の状況を見てきましたが、昨晩一瞬109.500円を超えてからはそれを凌駕するような動きは見られなくなってしまい、長い上髭がでてピークをつけた可能性もありそうです。
109.660円といえば多くの国内輸出企業の社内為替レートにかぶるレベルですから今年度はさらに下を想定しているとはいえ、かなりの輸出企業が7月以降の手当てのためにドル円を売ってくる水準であり、そう簡単には超えられずに4月相場を終えたことがはっきりとわかります。
たしかに短期の投機筋としては110円をつけないと気がすまないのではないかといった見方もありますが、ここからは1週間完全にゴールデンウイークモードに入ることから110円台に向けてはびっしりリーブオーダーが並ぶこととなり、上昇の可能性がないわけではありませんが、かなり難しくなりそうで、イベントドリブンのファンドなどが下値を狙うしかけ売りを出してくることもありますので、一旦ピークを迎えることになるのかもしれません。
105.800円あたりから猛烈に買いあがったわけですからちょっと届きませんでしたが3円弱の利益はとれたはずで月末を睨んだ米系短期投機筋の買い仕掛けも一定の成功を収めたといえるのではないでしょうか。
ただ米10年債の金利上昇はピークが来たわけではない
足元では3%台に載せてから2%台後半へ押し戻されて週の取引を終えている米国の10年債利回りですが、これで3%台の推移が終了したわけではなく再上昇となればドル円もつられて上値を試す可能性は十分に残される状況です。
したがってゴールデンウイークの連休は多少の下押し仕掛けがでてもまたもとに戻る瞬間も想定しておく必要がありそうな状況です。
米株もいまひとつぱっとしない状況
債券金利の上昇で上値を抑えられた米株でしたが大手企業の好決算が出ても株価は大きく上がらない印象が強くなってきました。
そもそも好決算がでると材料出尽くしで相場は下がりやすくなるものですが、どうもビッグ5株がこれまでのように株式市場全体を先導している感じがなくなってきているのがなんとも気になるところです。
米株の上昇時は比較的素直についていく傾向のあったドル円ですがどうもこちらもそうは問屋がおろさない雰囲気が強まっているように思われます。Sell in Mayというのは5月に高値が来るので売っておけということですから、まだここから反転上昇するのかもしれませんが、どうも1月26日が一番の高値であった可能性がさらに高くなってきているようです。
政治的なネタが一巡しいよいよ景気や経済状況がクローズアップされる状況に入ることからこうした状況の中で米ドル高がどこまで維持されるかも注目されます。
GW期間中は下げても上げても元に戻ることが多い
ひとつだけ注意したいのはゴールデンウイーク期間中は本邦勢のお休みのときに薄い相場の中で無理やり買いあがったり売り下がったりすることが多いため市場参加者はほとんど投機筋であり、必ず反対売買がでることからもとに戻りやすい状況だということはあらかじめしっかり認識しておく必要がありそうです。
とくに相場が下落しても休みの間にすっかりもとに戻ってしまうというケースも多くなりますから突込み売りや高値の買いに不用意についていくことだけは避けたいところです。