読み込み中...米10年債金利がとうとう３％台に定着してきたことからドル円は買われ、ユーロドルは売られる展開が続いています。おそらく売買の主体となっているのは投機筋であることからロングが溜まりすぎればどこかで反落するものと思われますが、本日のところはまだ買い優勢の状況となっています。
またユーロドルも大きく売られる形となっており、主要通貨で債券金利上昇をバックにした底堅いドル高が継続中です。
米国の株式市場のほうはFANG株の勢いが完全に削がれる状況となっており、すでに日本円にして10兆円ほど時価総額を減らすような下げを示現させています。
とりあえずNYダウはぎりぎりプラスで引けていますが、ここからさらに債券金利が上昇するようなことになればそれなりの下落が加速するリスクも高まり、引続き注意が必要です。
株買のほうは一段の債券金利高が示現した場合確実に耐えられなくなって大きく崩れることが予想されるでけに、米10年債が果たしてここからどこまで上昇するかも気になるところです。
連休前にどこで投機筋が反対売買をしかけてくるかにも注意
日本は週末からいよいよゴールデンウイークに突入ということになりますが、この時期は例年ドル円の上値が抑えられ、逆に円高に推移することも多くなります。
したがって106円台後半から買い上げてきた投機筋がそろそろどこかで反対売買に乗り出してくる可能性も高く、足元の高値にどこまでついていくかは大きな課題になりそうです。
109円に突入したことから次のドル円の節目は109.77円当たりとなりますが、これを果たして簡単に超えるかどうかにはかなり疑問が残る状況で、この近辺が一旦の戻り売りのポイントになりそうです。
ECB理事会とその後のドラギ総裁の会見も要注意
ドル円は米系の短期投機筋が好んで買い上げているようですが、それとは別にユーロドルも投機筋が大きくドル売りを仕掛けており、ユーロ指数は大きく下落しています。
IMMのポジションですでにドル売りユーロ買いは15万枚に達しており、こちらもやり過ぎ感から巻き戻しがでるリスクを考える必要がありそうです。どうやら投機筋はECBの出口政策がタカ派的に進められると期待しているようですが、ここのところのドラギ総裁の発言はかなり穏やかであまり慌てて出口には向かわない雰囲気を強く漂わせているところが気になります。
ECB理事会を経てユーロドルに買戻しが入るようですとドル円にも一定の影響がでるだけにかなり注意が必要になります。
すっかり忘れられていますが、26，27日は日銀の政策決定会合も開催されます。こちらのほうは米国から二国間協議の開催を強く求められており、しかも円高けん制を相当厳しく静止されているだけに円安に動くような発言が黒田総裁から飛び出す可能性は極めて低く、ドル高に動くような流れはほとんど期待できない状況といえます。
ドル円は投機筋が仕掛け売買をはじめてからかれこれ3円近く上昇しそうな気配になってきていますので109円後半というのは今回の上げのひとつのターゲットとしてみて構わないのではないでしょうか。
ここから上は輸出勢の売りがびっしり並ぶ水準となってきていますので簡単に上昇するとは思えず、また本邦の機関投資家がドル円に買いを入れてくるとしても105円以下の水準となることから買いをけん引するのは投機筋以外に存在しないところも気になります。
今年のゴールデンウイークは週明けの2日を休みにすれば丸々一週間お休みがとれるだけに本邦勢の動きはまったく途絶えることになりそうで、この時期ならではの投機筋の仕掛け売買にも気をつけなくてはなりません。
もともと実需主導で動いていない相場だけに上昇分を簡単に反転して下げるような動きになるリスクにも気をつけ乍ら売買をしていきたいところです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
