昨晩のNYタイムで米国の10年債利回りが実に4年ぶりに3%を上抜けたことからドル円は109.200円手前まで上昇することとなりました。
こちらもほぼ予想通りの展開ということでしたがその後米国の株式相場が案の定大幅下落に転じたことからドル円も株の下落のほうについていく動きとなり108円台半ばまで大きく下落するという展開になりました。
NYダウの下落幅は一時500ドルを超える激しいものとなっており、今後定常的に米国10年債利回りが3%を超えた状態が継続した場合、さらに株価が下落する可能性もあり、ここからは相当取引に注意が必要になりそうです。
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多くの市場関係者が心配していた通りの展開に
米10年債の利回りが3%を超え始めると株式相場が耐えられなくなって下落に転じる可能性をかなりの市場関係者が昨年から指摘していましたが、とうとうそれが現実のものになってきており、ここからどれだけ株価が下落することになるのかに注目が集まります。
とくに今年はじめまで米国の株式市場の上昇をけん引してきたビッグ5株に相当な翳りがではじめており、もはやもとには元らない状況となってきていることも気になります。
今週米株続落なら1月26日がピークだった可能性も
市場では1月26日につけた米株の最高値がエリオット波動における第五波のピークだった可能性を指摘する声も増えていますが、このまま株価が大きく下落に転じることになれば、すでにこの五波動目を終了していることになるため、ここからの相場の動きが非常に注目されます。
特に為替でいいますとドル円の次の節目は109.770円レベルとなりますが、そこまで上伸することなく株の下落のほうについていくことになるのかどうかも非常に高い関心を集めることになりそうです。
今回の上昇は様々な材料が伴っていることは間違いありませんが、それに加えて米系の短期投機筋が連休前にドル円を買い上げたことによりストップロスをつけて大きくショートカバーをしたことが上昇の大きな原動力になったことは間違いなさそうで、ここからさらに買い上げることができるのかどうかにも注目が集まります。
ここから上には実需の売りも相当並びそうな気配ですから、いよいよ本格的に売り場を探すタイミングも近づいてきているように見受けられます。ドル円が下落する株式相場についていくことになればここからは再度反転して106円方向に下落するリスクがかなり高まることになります。
実際に106円台後半からすでに2.5円近い上昇になってきていることを考えますと、今週110円を突破してドル円が上伸するとはなかなか考えにくく、やはり戻り売りのタイミングを考える時期が近くなっているといえます。
また気になるのは米国の株式相場がどの程度まで下落してしまうかで、昨晩は400ドル台に下げ止まっていますが、ここから10年債金利が3.2%以上上昇した場合にはさら継続して下落するリスクも出てくるだけに債券金利と株式市場両方をにらんだ取引が必要になってきそうです。
昨年ジェフリーガンドラックが再三にわたって米10年債の金利が3%を超えるタイミングが株式相場の下落につながると警告を発していましたが、結果的にまさにその状況が足元の相場に現れており、一体どこまで下押しするのかが非常に危惧されます。
これで暴落ということにはならないのかもしれませんが、それなりの連続した下落を示現した場合には2月の下落を超える幅で下値を模索すること十分にありえますから油断は禁物です。
ドル円もここから単に上昇することだけを考えるのではなく、再度105円割れを試しに行くこともしっかり想定して売買していきたいところです。来週からの大型連休を前に相場の状況は大きく変化しようとしています。
(この記事を書いた人:今市太郎)