ドル円は週明け予想通り朝から上昇傾向にありロンドンタイム以降大きく買いあがってとうとう108円台をつけ、さらに上昇して108.754円レベルまで上昇することができました。今週はまだ前半ですからさらに上値を追う余地もありそうですが、果たしてどこまで上昇できるのかが大きなポイントになりそうです。
109円台に買いあがるためにはなにかもう少し新しい材料も必要になりそうで、ストップロスをひっかけたショートカバーの買いあがりではかなりいい線まで上昇した印象もあります。
この108円台はほとんど節目らしい節目がありませんから一目均衡表の雲の上まで突き抜けられれば109円台中盤まで上昇することも十分に考えられる状況です。
ただしここからは実需の売りも相当登場してくることになりますし、先週日米首脳会談を前に下押しした106.800円レベルからすでに2円近い上昇となっていますので、一息つく可能性もありそうで追いかけて買うのはちょっと気がひけるレベルに到達していることは間違いありません。
米10年債金利3%接近で米株動向も気になるところ
米10年債は昨晩のNYタイムで限りなく3%に近いところまで上昇しています。いまのところ米国の株価はこれを嫌気して大きく下げるところにまでは至っていませんが、今年過去2回ほど3%に接近した段階では一回目は上昇を続けたもののその後大きく下落に転じていますし、二回目はすぐに下落が始まっており、もう少し状況を見定める必要がありそうです。
仮に株価が大きく崩れ始めますとドル円も金利の上昇についていくよりは株価の下落に押される可能性がありますので、金利と株価両方を睨みながらどこまで上値についていくかを検討する段階に入りそうです。
とくにここから10年債が3%を超えてくるようですと、市場の反応が大きく変わる可能性があり、債券に投げがではじめるとさらに金利は上昇し、株価がそれに耐えきれなくなって大幅下落を引き起こすきっかけを作りかねないだけに相当な注意が必要となります。
買いの主体は短期投機筋
今回のドル円相場の上昇は先週あたりから顔を出してきている米系短期投機筋が主体となって上げを先導し市場参加者がそれについてく動きとなっていますので、殆どの参加者がドル円を買いで参入している可能性が高く、逆にロングが溜まりすぎれば荷もたれから自律的に反落するリスクも高まることになります。
また投機筋主体ですから上がらないと見て販売売買に転じればいとも簡単に相場が大きく下落することにありうる点には相当注意が必要になりそうです。
本日も押し目を買おうとする向きは相当多くみられるはずで、あまり下がらなければ108円台中盤から買いを入れてくる向きが登場するものと思われますが、逆にこれがロングを集め過ぎて反落にならないことを祈りたいところです。
投機筋もゴールデンウイークにさしかかるともはや上値を追えないことは十分承知でこの時期に仕掛けをしてきているわけですから、早ければ今週中に下落に転じることも十分に考えられ、売り場探しも考えておく必要がありそうです。
チャート的にはだれが見ても上方向に上がりそうに見える相場ですから、皆が同じ方向を向いた時は結構危ないと思ったほうがいいのではないでしょうか。
ここから109円は目と鼻の先ではありますが、ショートが溜まるかロングが溜まるかで動きはまったく変わることになりそうです。下から売り上がってきたショートは108.500円を超えたところでかなり切れているものと思われますので、ショートカバーだけ期待してさらに上伸することを期待するのは難しそうです。
投機筋も3円~4円と利益を確保することを前提には動いていないものと思われますので、プライスアクションにも十分注意しながらトレードをしていきたい時間帯に入ります。
(この記事を書いた人:今市太郎)