読み込み中...日米首脳会談を通過して一旦は上昇するかに見えたドル円でしたが、動意があったのは東京タイムの仲値まででそれ以降は全く動かない相場になってしまいました。
ユーロドルにそれなりの上下動があるのに対してドル円はテーマがなくなってしまった感もあり、市場全体で方向感が失われている状況です。
一旦上昇してからは延々と30銭幅位で動いているだけですから常に安値と高値で逆張りしていけば多少は取れないこともない動きではありますが、積極的に売買する妙味はなく開店休業状態に陥ってしまったことがわかります。
今回の日米首脳会談を材料にして上か下に大きく抜けてしまえばそれなりにその先も見えてくるはずだったのでしょうが、完全に膠着相場に陥っていることがわかります。
どちらにいくか勝手に予想してもほとんど意味はない
相場は動かなくなると次の動きを予想してそれを自ら妄信したくなるものですが、上がるにしても下がるにしてもそれなりのロジックは考えつくわけでそれを勝手に振りかざして相場に挑んでみてもほとんど意味はないものです。
動かないときにはほかの通貨ペアをフォーカスしてみるか動きがでるまでは一時的に休業にして様子を見るのが一番です。
相場には値幅で調整する時間もあれば逆に日柄で時間を稼いで調整するもおもあり、ひょっとすると足元の相場は日柄調整に時間を使い始めている可能性もあります。
国内材料は安倍総理の突然の辞任にも注意
政治ネタに関しては、支持率が下がりに下がりまくって、もはや風前の灯にも見える安倍首相がどこかでいきなり辞任を発表するリスクにも注意が必要です。
民主党政権に比べて非常に株価を上昇させ経済を活性化してくれたということで市場には思わぬ評価者や信奉者が多いのも事実です。
しかし、果たしてこの5年は経済が本当によかったのかどうかかなり疑わしい状況で国内の上場企業の大株主はGPIFと日銀によって占領されている状態で、すっかり人工相場が定着し社会主義の国もびっくりの状況が展開され始めており、これをもって経済がよくなったと本当に言えるのかどうかはかなりクビをかしげる状況です。
多くの企業経営者はこの5年で時価総額も増え内部留保金も努力なしで手に入れることに成功していますが、それゆえに従業員への労働分配率を上昇させることには極めて消極的で自らの経営で利益が増えたのではないことを実は一番よくご存知の状況です。
結局一部の金持ちだけに利益が集中するだけの社会が実現してしまった感がありますが、そうした限られた層以外にも安倍首相を評価し支持する層が少なくとも有権者の4人に1人は存在するというも逆に驚きです。
一般的に世論調査で支持率が3割を切り始めるともう持ちこたえられなくなり、さらに下落したところで一巻のお仕舞いとなるのが常なわけですが、そのタイミングはかなり近づいているように思われます。
ご本人は拉致問題が解決しないかぎり政治家を辞めるにやめられないなどと口走らておりトランプからも妙に評価されていますが、その割にはこの5年拉致問題に取り組んできた様子もなく、トランプが大統領になってから情に訴えるだけの状況が続いています。
米国は拉致問題の解決に別にコミットしたわけではありませんから6月まで政権にしがみついても北朝鮮との間になんの成果もないリスクすら残りますから、辞任は結果的に前倒しにならざるを得ないのではないかとも思われます。
アベノミクスという名の経済政策があるので本人がいなくなると大変だという海外の認識は依然高いことから安倍辞任のヘッドラインが報道を駆け巡ればアルゴリズムがステレオタイプに反応してドル円も株式市場も売られることになりそうです。
足元の状況を見ていますと日本が市場の主要テーマになっているわけではありませんので一時的な売りがあるとすれば絶好の買い場になることも考えておく必要がありそうです。良くも悪くも市場は次なる相場変動のテーマを求めていることだけは間違いありません。
（この記事を書いた人：今市太郎）
