13日NYタイムのドル円は22時ちょうどに107.778円まで上伸しましたが、そこからが今一つ伸び悩む状況になりNYダウの下落に伴ってまたしても下押しをする展開となってしまいました。
まあ買いあがるというよりはロンドン勢がストップロスをつけるために一旦持ち上げた感も強く107円台後半にはそれなりの売りが並んでいることも確認されています。
その後ドル円は一時107.260円レベルまで下落することとなり結局107円台をどんどん買いあがる力のない部分を見せる結果となってしまっています。
シリア攻撃で二の足を踏む米・英・仏
今週シリアへの報復攻撃を強く示唆したトランプでしたが、結果的には米国の政権内も英国の内閣も賛否両論が渦巻く状況となっているようで、簡単にミサイル攻撃が実現しないまま週を終えようとしています。
シリアに対する制裁とは言うもののその背後にロシアが存在することは明白であり、各国ともに確実な化学兵器使用の証拠を確認したいといった理由から結局のところ戦闘状態には至らないまま様子見となってしまっています。
割を喰ったのはショートポジションを作って攻撃をまった投資家で、一旦反対売買を強いられたことからドル円は大きなショートカバーを示現することとはなりましたが、かといってここからどんどん買い上げていく向きも存在しておらず、ドル円にはほとんど方向感が感じられない状況が続いています。
そもそもFX相場全体として材料の見極めが非常に難しくなっており、ファンダメンタルズというよりはトランプのツイートに上下振らされる相場が延々と続いていることにかなり市場参加者の飽きを誘っている雰囲気が感じられる状況です。
ただ、NYダウは結局100ドル以上の下げで週の取引を終了していますから市場全体がリスクの後退を感じているわけではないことも明確です。
このままシリアに対する制裁をまったく行わないでお仕舞いになるかどうかはまだ決まったわけではなく、引き続き週明けからの動きにも注目が集まりそうです。
米中の貿易紛争も決して決着がついたわけではない
もうひとつ、市場では一旦リスクが軽減したかのような話になっている米中の貿易問題ですが、こちらもまだなんら決着がついたわけではなく、状況次第では報道のヘッドラインから再度ドル円が円高方向に下落するリスクは残り続けている状況にあります。
トランプも習近平も市場に心地よい言葉は繰り出してきていますが実際の交渉がどうなるのかはまだまだこれからの問題ですから、かなり時間のかかる交渉が延々と続くことも予想され、そう簡単に解決するネタではないことを強く感じる次第です。
1~3月ファンド勢はかなり相場で傷んだ模様
この1~3月は株式市場も大きく下落した経緯があり、ドル円もとうとうロングがほとんど消えるほどポジションの損切が進みましたからヘッジファンド勢はどこも儲けがでていないのが実情で、まだ含み損も抱える状況と思われます。
5月が半期決算のところも多いことからこの4月の後半にかけて一発逆転でなんらかの仕掛け売買にでるのかあきらめて損切に応じるのかの動きが非常に注目されます。
ドル円はとうとう投機筋のポジションが円ロング、つまいドル円は円買いになってきていますのでこの傾向がこのまま5月に向けても続くのかにも注目が集まります。
通常ファンドのポジションが一定方向に傾いた場合にはそう短期間にはもとに戻らないことが多いことから、さらにドル円が円高に動くことも期待されますが、ここのところ下値をかなり切り上げる動きもみられ、上値も重いが下値も堅いという相場状況が続いています。
これが継続するとなると当面狭いレンジ相場で推移することも予想され、当分妙味のない展開が延々と継続することも覚悟しておかなくてはなりません。いずれにしても市場は相場がうごく次なる明確な材料を求めているように見えます。
(この記事を書いた人:今市太郎)