米中の貿易戦争を巡っては毎日のようにメディアのヘッドラインに相場が振らされる状況が延々と続いています。
10日の東京タイムでも習近平国家主席が対話を強調し自動車関税の引き下げなどを演説で口にしたことから相場は勝手に好感してリスクオフからの大幅巻き戻しを行っています。
しかし、こればかりは米中で実際に話し合いが行われなければ決着するかどうかはわからないのが実情で、同日の夕方もネガティブなヘッドラインが出ただけであっという間に30銭近くドル円相場が下落するというかなり神経質な展開が継続中です。
なにより見ていてもまったく儲かりそうに見えないのが米国の株式市場で連日意味もなく400ドル近く上げたり下げたりする相場では、日足レベルでエントリーしてもまったく儲からない状況が延々と展開中で、相当市場参加者の嫌気を誘っていることがわかります。
この相場で勝ち逃げするなら短い時間足で勝負するしかない
とにかくこの相場を見ていますと長い時間足ではほとんど売買ができない状態です。たとえば日足だけで相場を見通していますとトレンドがないだけにどこで参入するべきかがまったくよくわからない状況ですし、ベストだと思っても投げと踏みの応酬に巻き込まれかねない状態がずっと続いていることがわかります。
しかし同じ相場を15分足で見てみますとその景色はかなり変わることになります。
決して取引し易い相場とはお世辞にも言えませんが、それなりのボラティリティが存在していることはわかりますので、不意の報道による相場の上昇と下落はやりにくいものの、欲張らなければそれなりの利益を確保できる機会が存在していることがわかります。
足元の相場状況はここからも延々と続く可能性はかなり高くなりますので、トレンドが出るまでじっと待ち続けるか、やり方を変えてかなり短い時間足で売買をするしか利益を確保する手がなくなりつつあります。
もちろんスキャルピングに枚数を増やして挑むのも一つの方法ですが、もう少し長い時間を短い時間足で我慢しながら売買するというのも一つの方法といえそうです。現在の米中の貿易紛争は互いにところどころで心地よい発言をすることから相場がいきなりリスクオンになったりはしますが、実際にはまだ何も解決してはいませんから、当分この市場のセンチメントだけで上げたり下げたりする不安定な状況が継続することはどうやら間違いなさそうです。
特にNYタイムでその流れが大きく変わることもありますので、東京タイムで作ったポジションは長く引っ張らないなどの基本的な工夫をしていくことがかなり重要になりそうです。
楽観視は禁物
どうも市場は米中の貿易問題で相場が下げるのにうんざりしているご様子で少しでもいい兆しがでるようならすぐに買戻しが始まる状況が展開中です。たしかに毎日相場を見ていますとさすがにうんざりさせられますから、少しは上昇してほしいという市場参加者の気分がそのまま相場に現れているようみも見えます。
しかしだいたい相場の動きは参加者の希望とは逆さまの方向に動くことが多く、非常に政治的な材料がFXの動きも支配するようになってきていますから、想定外の事が起きてもしっかりと対処できるように売買することを心掛けるべきでしょう。
ロングをとったらトレーリングストップを多用して大きな損失が出ないようにするとか、おかしいと思ったら躊躇なく一旦損切して相場から脱出するといった機転をきかせることが大きな損失に見舞われない重要な方法になってきているのです。
とくに通貨ペアのプライスアクションをしっかりと把握することは極めて重要で迂闊なレベル感だけで勝負しないことがかなり身を守ってくれることになりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)