読み込み中...アメリカの話ばかりをしているので、多少、ユーロの話もしておこうと思います。現在、アメリカとユーロの比較はドル＝ユーロないしは、ユーロ＞アメリカになっており、ユーロドル相場が全く動かないのは当然の帰結になります。
参考までにユーロにおけるドイツの覇権が今年は崩れますよ、という話をしていたのですが、以下のグラフをみれば、一目瞭然になります。
ドイツの工業部門の成長になりますが、1年平均も、半年も、3か月もものすごい勢いで下落をしています。今まで仮想通貨に価値がなくなるよ、韓国が自前のコインを発行するよ、とか適当なことを書いてきたのですが、みなさんもお感じになっていると思いますが、ほとんど書いていることが私の言った通りになっていることに気づいているでしょうか？
たぶん、気づいているからお読みいただいているのだと思いますけど、一応、書いておきます。外れたことは即刻、私は記憶から抹殺する傾向がありますので覚えていません。
ただ、外したことを覚えていないということは、それに関連する投資を行っていませんので覚えていないだけです。投資をしていたら、たぶん、失敗をしたと書きます。
日本の異常な気温の高さ
この3月から日本の暖かさが際立っていますよね。去年か、そこらも天候のことを書いたと思いますが、異常気象になると、私はたいがいシカゴの穀物を買っています。
今回はオプションを買ったのですが、元値から3倍以上になっています。なぜ、買ったのかといえば、日本が暖かすぎるのならアメリカの穀倉地帯も異常気象だろうということのみで、オプションの安いものを全部拾っただけの話です。
誰も注目していないから「異常」安値で買えたものです。こういう発想というのは、異常気象で、日本は野菜が高いと騒いでいますが、アメリカでは穀物が不作になるのです。
そして、いつものように、まったく違う材料、トランプが中国に大豆の輸出制限をかけたという材料で暴騰したのです。こんなことを想定したのではなく、単なる異常気象から買ったのですから、上昇や下落の原因など私はあてたような記憶は全くありません。
ただ、今回の穀物の上昇はコーンなどまだ作付けも始まっておらず、大豆はそれよりも遅いのですから、豊作も不作もないのです。冬小麦は全くダメなのはわかります。今年の穀物の天候相場は荒れるな、というのが感想です。
なぜ、穀物なのか？
穀物がアメリカから輸出制限を受ける場合、その代替国を中国は探します。ただでさえ、高いアメリカ産大豆ですから、その代替国を見つけるのは容易だと思います。
その場合、南米かオーストラリアになります。南米ブラジルの話ではルラが大統領選挙に出てくれば、面白くなると書きましたがあえなく逮捕ですね。どうでもいい話ですが、中国の輸入先はアメリカからブラジル、オーストラリアになることは必至です。
輸出量も多いし、ロシアのように輸出してくれるかどうかもわからない国よりも、南米、オーストラリアをチョイスするのも当然の話です。そのオーストラリアは家計債務の圧迫が顕著にみられるとようやくオーストラリア中銀が認めましたが、そんなの私は半年以上前から指摘をしています。
では、オーストラリアの金利が安い、すなわち景気が停滞している理由は非常にかんたんで、冒頭のユーロ高になるのです。ユーロは私の見立てでは来月の中旬くらいから大幅に安くなりますので、再び、そのお金がオーストラリアに還流するだけであります。
今まで、アメリカ、中国、日本、ユーロの資金がオーストラリアに滞留をしていましたが、ユーロ危機によって、その資金が本国にレパトリして、再びオーストラリアに帰ってくるということです。となると注目の通貨ペアは何になるのか、わかりますよね。
オーストラリアは中国の食糧事情を補完しています。ただ、鉄鋼などの原材料、ボーキサイトも主なオーストラリアの主な輸出品目です。中国は鉄鋼を作り過ぎたのですから、ボーキサイトの輸入も減ります。これは過去の事象ですが、今後は穀物の引き合いが増える。
ユーロから資金もかえってくる。となるとどうなるのですか？自明の理です。
（この記事を書いた人：角野 實）
